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2024.04.01

真冬の風物詩、郡上の“寒ざらし”。大寒の清流が鯉のぼりをつくる。

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真冬の風物詩、郡上の“寒ざらし”。大寒の清流が鯉のぼりをつくる。

岐阜県郡上八幡、真冬の風物詩 “寒ざらし”は、二十四節気の一つで「一年で特に寒さが厳しい大寒」に行われます。

 

ここで行われる寒ざらしとは、郡上八幡で染め上げられた大きな鯉のぼりを、吉田川支流の小駄良川にさらし、染色工程で生地にのせられたもち糊を洗い流す工程を指します。数十年前から一般公開されるようなりました。

この郡上らしい季節の便りは真冬のイベントとして、この地に住まう人から観光客や報道陣、多くの人に届けられます。

 

普段は雪が積もり、静かに澄んだ郡上八幡の川辺。この時期は黄、赤、青、黒で彩られた鯉のぼりが雄大豪壮に泳ぎます。

そんな普段とは違った景色が広がる郡上八幡を訪れました。

 

 

“寒ざらし”は、この地だからできる。

2024年、寒ざらしが行われた小駄良川の水温は4℃。

凍てつく川で寒ざらしを披露するのは、江戸時代から400年以上も伝統的な藍染の製法、郡上本染を守る渡辺染物店の職人をはじめ、郡上本染後援会の会員、約20名。

化学薬品を使用しない、昔ながらの製法と郡上本染の技術で染められた鯉のぼりと一意専心に向き合っていました。

(糊を専用の道具で掻き落とす様子)

大きいサイズの鯉のぼりは4.5mにもなります。壮大な自然が作った大きな川なら隅々まで糊を残さず洗い流すことができます。

さらに、雪解けの冷たい水に晒されることで、生地は締まり、色鮮やかに仕上がります。

水の街と言われる郡上八幡は染色に適した街といえます。

 

 

 

寒ざらしを含むすべての工程が自然と緩やかにつながる。

鯉のぼりの制作は、前年11月頃から始まり、翌4月終わり頃まで続きます。

約半年間で50〜100匹の様々な鯉のぼりを制作します。

寒ざらしの前には糊付け、乾燥、染めの工程があります。色の濃淡をつけるため、染めと乾燥を何度も、何度も、行います。染めと染めの間には色が定着する時間も必要になります。そして寒ざらしをを終えて乾燥させます。「天気と相談しながら仕事を進めるため仕上がりまで2〜3週間程かかります。乾燥できない日が続くのであれば、染めはできません。染めから乾燥までが続けて行えるよう、天気を見ながら作業を行います。」と渡辺染物店の当主・渡辺一吉さん。

染物の仕事は人間が思うようには進められるものではありませ。染める段取りには天候が重要で、自然と調和しながら作られます。

 

 

寒ざらしは地域内と外、人をも繋ぐ。

鯉のぼりの制作は、前年11月頃から始まり、翌4月終わり頃まで続きます。

約半年間で50〜100匹の様々な鯉のぼりを制作します。

寒ざらしの前には糊付け、乾燥、染めの工程があります。色の濃淡をつけるため、染めと乾燥を何度も、何度も、行います。染めと染めの間には色が定着する時間も必要になります。そして寒ざらしをを終えて乾燥させます。「天気と相談しながら仕事を進めるため仕上がりまで2〜3週間程かかります。乾燥できない日が続くのであれば、染めはできません。染めから乾燥までが続けて行えるよう、天気を見ながら作業を行います。」と渡辺染物店の当主・渡辺一吉さん。

染物の仕事は人間が思うようには進められるものではありませ。染める段取りには天候が重要で、自然と調和しながら作られます。

 

 

寒ざらしは地域内と外、人をも繋ぐ。

鯉のぼり完成までには、陽の光や大自然の恵みである水も大きく関係していますが、多くの人にも支えられています。

最大で5.5mにもなる鯉のぼりを染めたり、洗ったりするためには、大きな竹枠に生地を張る必要があり、その材料として約6mの竹が必要になります。

「全ての材料を自前で準備することは難しいので、地元の竹林を所有する方にお願いして、親族や有志の方と切り出しに行きます。竹の切り出しには大きなトラックも必要になります。その時は、地元の建設業の方がトラックを出してくれます。みんなの協力と繋がりがあるから、今も寒ざらしが続けられています。」

 

続けて、「地元の子供達はふるさと学習の一環で鯉のぼり作りを体験します。糊付けする工程から、色付け、寒ざらしと一通りの工程を子供たちの自らの手で行います。苦労しながらもみんなで協力し、最後までやり遂げる姿を見るのは嬉しいです。また、とても楽しそうで、子供たちが、大人になって郡上八幡を離れた時に、鯉のぼりを見て、この体験を思い出してもらえれば。」と話す渡辺さんは、優しい目をしていました。

 

地元の方にとって寒ざらしは地域が華ぐイベントのひとつ。寒ざらし後は地域でふるまいがあったり、子供たちの楽しそうな声が街に響いていました。多くの人が協力し、参加し、盛り上げることで、伝統文化を守り続けることができ、人々が楽しみにしている地域の行事として存在し続けることができます。

 

「これからも多くの人に協力していただき、地元の人々や子供たち、観光客に“鯉のぼり間ざらし”を楽しんでいただければ嬉しいです。」と渡辺さんは微笑みました。

寒ざらしの時期にのみ見せる特別な郡上八幡の魅力に触れたい方は是非訪れてほしい。

郡上八幡町 宗祇水付近(吉田川と小駄良川合流付近で寒ざらし開催)、渡辺染物店

■住所:岐阜県郡上市八幡町本町(寒ざらし開催場所)

■アクセス:JR「郡上八幡駅」下車 徒歩20分、郡上八幡コミュニティバス「本町」下車 徒歩1分(寒ざらし開催場所)