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2024.03.31

明治から続く建造物が博物館に。横浜の歴史に思いを馳せて

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明治から続く建造物が博物館に。横浜の歴史に思いを馳せて

みなとみらい線馬車道駅。5番出口から地上へ上がると待ち構えているのは、クラシカルな雰囲気に目を引かれる大きな建物。

国の重要文化財・史跡に指定されているこの建物は、神奈川県立歴史博物館です。中の展示もさることながら、歴史的価値がある建物を目当てに足を運ぶ人も少なくありません。


竣工120年。銀行として建てられた建物が博物館に


建物の旧館部分は、1904年(明治37年)に横浜正金銀行本店として建てられました。今年2024年で、竣工から120年を迎えます。

「当時の周辺の建物は、1923年の関東大震災でほとんどなくなってしまったそうです。その中でもこの旧館は、震災の被害を乗り越えた貴重な建物なんです。」そう教えてくれたのは、学芸部長を務める丹治さん。

建築当時から、変わらぬ姿で馬車道のシンボルとして在り続けてきました。




ネオ・バロック様式で建てられた旧館部分の特徴は、1階から3階まで突き抜けるようにして外壁に立ち並ぶ柱。この手法はバロック様式の特徴で、そのリバイバルとして19世紀以降にヨーロッパで流行した手法をネオ・バロックと呼ぶそうです。

また、外壁はすべて石でできているそう。足を止めてじっと眺めてみると、石工さんの細やかな仕事を感じることができます。



横浜正金銀行の営業室として使われていた当時の様子


内装にも当時の面影が。常設展示室の一部には、関東大震災後の銀行営業室の内装がそのまま残されています。窓の周囲のアーチ型の大きな装飾に、当時の雰囲気を感じます。

常設展示では、旧石器時代から現代にかけて神奈川県域の歴史を一覧して辿れるそう。

「じっくり見学すると、1〜2時間ほど楽しめます。他の予定とあわせて来館される方は、関心のある部分を中心に見ていただくのもいいと思います。」

博物館の楽しみ方、歴史の感じ方は十人十色、多種多様です。


変わりゆく横浜と、変わらないこの場所と


※通常は屋上の一般公開はされていません。

建物のシンボルとも言えるのが、「エースのドーム」と呼ばれる最上部のドームです。このドームは関東大震災で焼失してしまったため、現在のドームは1967年(昭和42年)に復元したものです。は復元版として保存されています。

表面は銅板でできているため、だんだん色も変化していったそう。もともとは綺麗な10円玉のような色をしていたと言います。時が経つにつれ酸化が進み、現在の鮮やかなエメラルドグリーンになったのです。

 

よく見ると、何やら魚のような装飾が。「ドルフィン」といわれる想像上の生き物です。体長は約1.5メートル。近づいて見ると、装飾の細やかさとドルフィンの大きさに思わず圧倒されます。

建物の竣工時、この街には高い建物がほとんどなかったそうです。当時は、この建物が周辺で一番高かったのだとか。

「どんどん新しいビルが建ち、今ではほとんどが見上げる建物になりました。この建物は、新しくなる横浜の街を見守り続けてきた存在なんです。そう思いながら街と建物を見比べてみると、何か感じるものがあるかもしれませんね。」


の動くままに、気軽に楽しんでいただきたい

ドームを近くで見学できる屋上は、普段は非公開だそう。しかし、屋上やドームの内部を楽しめる見学会を定期的に開催しているそうです。そのほかにも特別展や、参加型の催しも開催しているそう。広報を務める廣瀨さんはこう語ります。

「老若男女が楽しめる博物館になればいいなと。フラッと写真を撮りに来ていただいたり、イベントで身近に感じていただいたり。一人でも多くの方にファンになっていただき、若い世代やその次の世代にもつないでいければと思います。」

さらに、丹治さんも続けます。

「博物館=敷居が高いと思わず、気軽に楽しんでいただきたいです。たとえば、土器や建物の模様を見て『なんだか面白いな』と思う。そんな些細なことでいいと思うんです。楽しみ方は自由なんです。一度足を運んでみて、心が動く部分を探してみてほしいなと思います。」

日まで紡がれた歴史を受け継ぐために、私たちがその魅力を次世代へとつないでいかなければなりません。過去から現在、そして未来へ、神奈川の土地に思いを馳せて。


神奈川県立歴史博物館
電話:045-201-0926
住所:神奈川県横浜市中区南仲通5-60
アクセス:みなとみらい線(東急東横線直通) 馬車道駅 3番・5番出口から徒歩1分/市営地下鉄 関内駅9番出口から徒歩5分/JR 桜木町駅新南口から徒歩5分
HP:https://ch.kanagawa-museum.jp/
SNS:https://twitter.com/kanagawa_museum
https://www.instagram.com/kanagawa_museum/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。