空室検索・予約

Reservation

予約確認・変更・取消はこちら

法人提携のお客様はこちら

2024.02.14

創業77年。職人が作り続ける“変わらぬ味”で愛される「もみぢ菓子司舗」

NEIGHBORS

創業77年。職人が作り続ける“変わらぬ味”で愛される「もみぢ菓子司舗」

JR桜木町駅の南側。近未来的な表情を持つみなとみらいとは対照に、大衆的な飲食店がひしめきあう「野毛」という町をご存知ですか?

桜木町駅から歩いて数分、野毛仲通りのはずれにある老舗和菓子店「もみぢ菓子司舗(もみぢかししほ)」を訪ねました。


初代が残した店を継いだのは、2人の職人だった

昭和21年の秋、戦後まもなく野毛で創業した「もみぢ菓子司舗」。70年以上続くこの店をよく知る西村さんが、もみぢの始まりについて教えてくれました。

「当時は戦争の影響で、この町には甘いものも何もなかったんです。そこで先代が “みんなに何か甘くておいしいものを” と、おしるこやあんみつを作り出したのがこの店の始まりです。」

もみぢの看板商品「大銅鑼焼き」は、昭和23年に誕生しました。当時の横浜には土産物がなかったことから、横浜の名物を生み出そうと先代が考えたそうです。港町である横浜から、船、そして銅鑼と連想し、大きなどら焼きができました。昭和39年には神奈川県の指定銘菓として認定されています。

現在は、もともと初代店主の元で職人として働いていた西村さんと古瀬さんが二代目としてもみぢを引き継いでいます。初代が亡くなったあと、2人で継いでやっていこうと決めたそうです。60年以上、この店に立ち続けています。

「せっかく良いものを残してくれたのでね、やめてしまっては何も残りませんから。」

和菓子は、地域に根付いているもの。お正月や季節のお祭り、さまざまな行事ごとを通して、生活にささやかな華を添えています。だからこそ野毛の町のためにも、もみぢを守りたかったのだとか。


“せっかくなら、良いものを”「大銅鑼焼き」にかけたこだわり

「大銅鑼焼き」には、もみぢを引き継いだ2人のこだわりもつまっています。黒あんは兵庫県の丹波大納言、白あんは北海道の大福豆を使用。店を継いでから「さらに良いものを」と2人で試行錯誤し、この味にたどり着いたそうです。

「いろいろ吟味したすえ、“これがうまいぞ”と。初めに使っていた材料より少し値段は張るのですが、せっかくなのだから一番おいしいものを届けようよと、今の製法になったんです。」

店に並ぶ和菓子はすべて、現在も毎朝2人が店で作っています。西村さんは続けてこう話します。

「私たちはもともと職人だったものですから。経営的な視点よりも先に、“良いものを作りたい”というのがあったんですよ。」

もみぢで職人をしていた2人だからこその想い。和菓子への味のこだわりには、譲れないものがありました。


変わらぬ味と変わらぬ姿で、世代を越えて愛されてきた

取材中も、老若男女問わずお客様がいらっしゃいます。今日のおやつにと持ち帰る方、お土産として購入される方ーー。中には、親子3世代で通い続ける方も。昭和から平成、令和と、町の成長を変わらぬ姿で見守り続けてきました。最近は若いお客様も増えてきたのだとか。

「一度食べておいしかったからと、若い方たちが周りの人にも教えてくれているみたいです。うちからは何も発信していないんですけどね。どこからか見つけて来てくれる方も増えました。」

「おいしかったら、ぜひまた来てくださいね。」西村さんは、優しくそう言い大銅鑼焼きを包んでくれました。

本当においしいものだからこそ、誰かに伝えたくなります。そしてまた、訪れたくなります。そうやってもみぢの和菓子は、世代を跨いで今日まで愛されてきたのです。

もみぢ菓子司舗
電話:045-231-2629
住所:神奈川県横浜市中区野毛町2-64
アクセス:JR桜木町駅から徒歩3分/京浜急行 日ノ出町駅から徒歩5分
*営業時間や定休日についての詳細は店舗にてご確認ください。