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2024.03.15

「絞り染め」体験で伝統工芸の魅力に染まる。「京都絞り工芸館」で旅のひとときを過ごす 前編

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「絞り染め」体験で伝統工芸の魅力に染まる。「京都絞り工芸館」で旅のひとときを過ごす 前編

 

京都の歴史と深く関わる「絞り染め」。その魅力を存分に堪能するべく、日本で唯一の絞り染め専門美術館「京都絞り工芸館」を訪れました。

 

 

1300年もの歴史を誇る「絞り染め」を未来に繋ぐために

 

 

 

街並みや文化など、日本の歴史が現代まで受け継がれる京都。伝統工芸である染色技術の数々は、京都の特産品として現代にも継承されています。そのうち「絞り染め」は、1300年もの歴史を受け継いだ日本最古の染色技法です。

 

そんな歴史ある「絞り染め」をテーマにした美術館である「京都絞り工芸館」は、2001年に開館しました。「京文化のひとつである絞り染めの魅力を現在・未来へと繋ぐため開館に至った」と副館長の吉岡さんは力強く言います。

 

 

絞り染めは職人の高度な技術の結晶

 

絞り染めとは、糸で布を絞った状態で染色する技法のこと。糸で絞られた部分は染まらず、白く残ります。小さな粒の集合で模様を描くのが、絞り染めの特徴です。絹を使って一粒一粒絞る本疋田絞りの作業は、職人の高度な技術があってこそのものです。

 

 

 

 

職人が1日に絞れる数は300粒ほど。針を用いる針疋田絞りでも約3,000粒だそう。1枚の着物を絞るのに約15万粒も必要なため、絞る工程だけでも長い月日を要することが伝わってきます。

 

絞りあげて小さくなった布は液につけて染めます。染めあがってから糸を解くまで完成形を目にすることはないのだそう。また、職人の手作業だからこそ唯一無二の作品に仕上がるのも、絞り染めの特徴です。緊張感のある作業の末にできあがる作品は、どれほど繊細で価値あるものなのか考えさせられます。

 

 

京都の町に息づく絞りの魅力を伝える挑戦

 

昔は家業で営まれてきた絞り染め。「朝起きれば横で絞りに取りかかる親の姿を見て育ってきました。絞りが日常の風景の一部にあったんです。職住一体だった文化はなくなり、今では日常で絞りに触れる機会は減っています。うちの息子も同じく、絞りの工程を日常的に見ることはありません。」と吉岡さんは教えてくれました。

 

時代の変化とともに、伝統工芸のリアルな姿や絞りが作られる工程のすべてを知る機会は、少なくなってきているのです。一方で、京都には絞り染めを含め、今も数々の伝統工芸が受け継がれている街であり「伝統工芸のテーマパークのような街だ」と吉岡さんは語ります。

 

 

伝統工芸「絞り染め」の魅力をありのまま伝えたい

 

 

 

「伝統工芸のありのままをもっともっと見せていこう。より多くの人に絞りの魅力を伝えることを考えるなら、観光の一部として立ち寄れる場所があればいいのではないか。実体験と鑑賞という両側から絞りの魅力にどっぷりと堪能できる場所がいい。そんな思いから「京都絞り工芸館」を開館しようと思いました」

 

吉岡さんの祖父の代から84年間受け継がれてきた絞りの技術、またそれ以前までの歴史も含め、多くの人に絞りのありのままの魅力を伝える拠点として「京都絞り工芸館」を開館したのです。

 

―次回は「京都絞り工芸館」で体験できる絞り染めと美術館鑑賞について。

体験を通して感じられる絞りの魅力に迫ります。

 

 

 

 

京都絞り工芸館
電話:075-221-4252
住所:京都府京都市中京区油小路通御池南入ル
アクセス:二条城前駅から徒歩5分 / 烏丸御池駅から徒歩10分
HP:https://www.shibori.jp/

SNS:https://www.instagram.com/kyotoshiborimuseum/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。