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2025.11.20

130年の伝統を今につなぐ老舗和菓子屋「京菓子司 末富(すえとみ)」

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130年の伝統を今につなぐ老舗和菓子屋「京菓子司 末富(すえとみ)」

「ホテルリソル京都四条室町」から南へ歩くこと3分。2つ目の角を烏丸通へ向かって曲がると、1893(明治26)年創業の老舗「京菓子司 末富 本店」が姿を現します。

京菓子は茶道と深く結びつき、“季節の移ろいを表すお菓子”として、京都の歴史の中で親しまれてきました。そんな京菓子文化を130年以上にもわたり今に伝えてきた「京菓子司 末富」。現在は4代目の山口 祥二(やまぐち しょうじ)さんがのれんを守り続けています。

「京菓子司 末富」で扱うのは主に客人を迎える場で用いられる「上菓子」。老舗ならではの風格が感じられる店構えも相まって、“特別な日にいただく和菓子”という印象を抱く人も少なくないかもしれません。

そんな上菓子について「“何気ない一日にいただく和菓子”としても楽しんでもらいたい。」と、取締役の山口 富子(やまぐち とみこ)さんは話します。

「末富」が守り続けてきた“夢と楽しさの世界”

130年以上続いてきた「京菓子司 末富」の店内

130年以上続いてきた「京菓子司 末富」の店内

「末富」は、初代が京都の老舗和菓子店「亀末廣(かめすえひろ)」で修業を積み、のれん分けをする形で独立したことがはじまり。独立後は、東本願寺などの寺社や茶道御家元の御用をつとめてきました。

一方で、初代の頃は戦争の影響を受けた時代でもあります。戦時中は砂糖が禁制品となり、お菓子作りは困難を極めましたが、寺社御用を務めていたことから配給を受け、苦境を乗り越えてきたといいます。

そんな「末富」が、創業以来和菓子作りの原点としてきたのは“夢と楽しさの世界”。目と耳で愉しむ和菓子の格式を守りながら、ーつひとつを丁寧に生み出してきました。

見て愉しむ和菓子

可愛らしいふうせんが詰まったような麩焼き煎餅「京ふうせん」

可愛らしいふうせんが詰まったような麩焼き煎餅「京ふうせん」

「末富」の定番商品の一つである「京ふうせん」は、小さく切った餅を鉄板で押し焼きにした素朴な和菓子。その魅力は素朴さだけではなく、色づかいにも表れています。

京都には平安時代から「重ね色目」という文化があり、色の組み合わせによって季節の移ろいが表現されてきました。その「重ね色目」を和菓子で表現したのが、「京ふうせん」なのです。

基本の色目5色の砂糖で京の色彩を映し出しており、はんなりとした色合いと、ふんわり軽やかな食感は、その名の通り“ふうせん”を思わせます。

創業以来、変わらない手作りへのこだわり

一つひとつ真心を込めて作られる和菓子

一つひとつ真心を込めて作られる和菓子

そんな「京菓子司 末富」の和菓子は、すべて人の手で作られています。

「たとえば、焼きごてを押す位置一つでうさぎの表情が愛らしくなったり、意地悪そうになったり。均一に揃ったお菓子も“きれい”かもしれませんが、それぞれの違いこそが手作りならではの味わいだと思います。」そう話す山口さん。

大量生産はできなくても、機械にはできない手加減ができ、心を込めた和菓子作りができる。創業当初から受け継がれてきた姿勢こそが、“見て愉しむ”和菓子の醍醐味なのかもしれません。

耳で愉しむ和菓子

きんとんでできた霜月(11月)限定の生菓子「深山(みやま)の錦」

きんとんでできた霜月(11月)限定の生菓子「深山(みやま)の錦」

月替わりで店頭に並ぶ生菓子には、もう一つの楽しみ方があります。それは“耳で愉しむ”和菓子であるということ。

茶道の世界では、和菓子に“銘(めい)”と呼ばれる名前を付け、季節や思いを表すのだそう。お祝いごとなどにはよく紅白の和菓子が使われますが、卒業の時期であれば“旅立ち”といった銘を添えることもあるといいます。

「銘があることで、お菓子をきっかけにした会話も生まれやすくなるんです。」と山口さん。形や色だけでなく、言葉を通して味わう。和菓子は、目だけではなく耳でも愉しむことができる魅力があります。

代名詞となった「末富ブルー」

お店の象徴になっている包装紙

お店の象徴になっている包装紙

「末富」を語る上で欠かせないのが、包装紙の存在。「末富ブルー」と呼ばれるこの色は、2代目山口 竹次郎(やまぐち たけじろう)さんが日本画家である池田遥邨(いけだ ようそん)画伯に意匠を依頼したことから生まれました。

当時、和菓子店の包装紙といえば、深緑や焦げ茶色といった落ち着いた色合いが主流。洋画も手がけていた池田画伯と竹次郎さんは、「食品や自然にはない色で、他にはない斬新な包装紙を作ろう。」と考え、この青にたどり着いたといいます。

当時の印刷技術では表現が難しく、白の上に青を重ねる工程には多くの苦労があったとのこと。 そうして生まれた「末富ブルー」は、斬新でありながら品を失わず、今も変わらず大切に使われ続けています。

伝統を守りつつ、その時代に合うものを

取締役の山口 富子さん

取締役の山口 富子さん

「“伝統を守る”というのは、同じことをただ続けることではないと思っています。時代に合ったものを少しずつ取り入れながら、基本の姿勢を大切にし、新しいことにも挑戦していきたいですね。」

どら焼き「京の華扇(はなおうぎ)」に採用されている手提げバッグ型パッケージ

どら焼き「京の華扇(はなおうぎ)」に採用されている手提げバッグ型パッケージ

その言葉を体現するように、「末富」では代名詞である「末富ブルー」の包装紙をアレンジし、手提げバッグとして持ち歩ける商品パッケージを生み出しました。その上品さと可愛らしさは、街中で見かけると思わず「どこのお菓子だろう。」と引きつけられてしまうほどです。

その他にも“和菓子といえば抹茶”というイメージにとらわれず、和菓子を日々の暮らしに取り入れてほしいとの思いから、和菓子とコーヒーを組み合わせたサブスクリプション販売にも挑戦しているとのこと。

伝統を大切にしながらも、新しい和菓子のかたちを探る「末富」の挑戦は、これからも続いていきます。


京菓子司 末富 本店 
電話:075-351-0808 
住所:京都府京都市下京区松原通室町東入玉津島町295
アクセス:市営地下鉄烏丸線「五条」下車 徒歩約5分 阪急電鉄 烏丸駅から徒歩約10分
HP:https://www.kyoto-suetomi.com/
SNS:https://www.instagram.com/suetomi.kyoto/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンクからご確認ください。