日本の情緒を感じる町浅草には、どこか懐かしい昔ながらの喫茶店が立ち並んでいます。浅草駅を降りて、路地を歩くこと2分。異国感のある煉瓦造りの建物のなかに、1980年創業の「カフェムルソー」があります。40年以上浅草の変化を見守ってきたカフェを訪れ、創業者の娘さんにお話を伺いました。

「創業者は両親であり、隅田川の変わらない景色と、スカイツリーやアサヒビールなど浅草のランドマークの発展を見守りながら営業を続けてきました」

「カフェを開きたい」そんな想いが叶い、浅草へ

創業したのは、現店主のご両親。もともと、飲食店で働いていた現店主のお父様は、自分のお店を開くことが夢だったといいます。

「初めは珈琲をメインとしていましたが、徐々にケーキや紅茶、カクテルや料理の数を増やしていき、今では季節限定メニューも加えて、バリエーション豊かなメニューとなっています」


景色をみながら楽しむランチセット

「カフェムルソー」の自慢は、約15種類から選べるランチセット。なかでも平日限定のキッシュのランチセットは可愛らしい見た目ながらボリュームもあり、人気メニューです。具材がみっしりと詰まった食べ応えのあるキッシュは、野菜の食感も感じられてあたたかな気分をもたらしてくれます。

「自家製のキッシュは、季節によって具材を変えています。パンはほうれん草、かぼちゃ、ノーマルのパンが日替わりでセットになっています。ふわふわのパンのなかに、ほんのり野菜の風味が感じられて人気なんです」

カフェムルソーでは、ケーキも人気。洋梨や杏のタルトなど季節のフルーツを使ったものから、チョコレートケーキやかぼちゃのプリンなど創業時から変わらない味わいを残す定番メニューも。ケーキに合わせる紅茶もバリエーション豊富です。アッサムやダージリンなどの一般的なものから、ストロベリーやピーチなどのフレーバーティー、複数の茶葉やスパイスを配合して味わいを表現したブレンドティーまで揃っています。

「昔から変わらないメニューもあるので、懐かしそうに食べてくださるお客さんも多いんです。紅茶のセレクトは母の担当です。さまざまな会社の紅茶を試飲させていただき、おいしいもの選んでいくうちに紅茶のメニューが増えていきました」



浅草で守る変わらない場所

「カフェムルソー」の魅力はなんといっても店内からの景色。どの席からも隅田川が一望できる開放的な空間が広がっています。取材中も来店したお客さんが、「わぁ！」と声を上げる姿を見ることができました。

「友達同士やカップル、観光客、お一人でのご利用など幅広いお客さんにご来店いただいています。昔からの常連さんも来てくださっていて、いろんなお客さんにとってゆっくりできる場所として愛されているのは、ともてありがたいです」

最後に、「カフェムルソー」のありたい姿として、「変わり続ける街で変わらないもので居続けたい」と素敵な言葉を伝えてくれました。

開発が進み店も増え、観光客にも人気の街・浅草は、らしさを残しつつも変わり続ける街です。そんな街の変わらない部分を求めて浅草を訪れる人に、懐かしさと癒しの時間を届ける場所として、「カフェムルソー」は今日も営業を続けています。

カフェムルソー
電話番号：03-3843-8008
住所：東京都台東区雷門2丁目1−5 中村ビル 1F,2F
アクセス：東京メトロ銀座線浅草駅から徒歩2分
HP：https://cafe-meursault.jp/
※営業時間や定休日についての詳細は上記のリンク先にてご確認ください。