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2024.11.30
焼き立ての食欲そそる香ばしい匂いに、ふわっと広がる甘い香り、“ふんわり、もっちり、ザクザク”。使う食材や組み合わせによって幅広い味わいや食感が楽しめる“パン”。
札幌にも多くのパン屋さんが存在しますが、“ちくわパン”発祥のお店としてその名が知られている「どんぐり」は、地域の声にこたえることで愛されてきたお店です。その魅力を伺うべく、2023年11月にオープンし1年を迎える「ココノススキノ店」を訪れました。
「どんぐり」のルーツは、1983(昭和58)年、円山ではじまった小さな喫茶店「珈琲舎どんぐり」にあります。裏山にあったどんぐりのなる木がお店の雰囲気にも合っていたことから名付けられたお店は、喫茶店としての物語は終えたものの“パン屋”として新たなスタートをきることに。
現在では市内に10を超える店舗をかまえ、それぞれのお店によってちがった特色を楽しめる“焼き立てパン”のお店「どんぐり」。わくわく楽しい気持ちにさせてくれる市場のような活気ある売場づくりや、手作りの温かみあふれる味わいで、40年以上もの間訪れる人の胃袋を満たしつづけています。
「どんぐり」に勤めて8年の矢本さん、数あるパンの中でお気に入りは「明太フランス」とのこと
製造スタッフとして「桑園(そうえん)店」や「本店」での勤務を経験後、“どんぐりの魅力をより多くの方に伝えたい”と熱意をもって自ら志願し、広報の役割を担うこととなった矢本雄大(やもと・ゆうた)さんにお話を伺いました。
矢本さんが専門学校生の頃、「どんぐり」の社長である野尻さんが会社説明で訪れた際に語った「ロス(廃棄)になってしまうことを気にかけはするけれども、“閉店30分前まで焼き立てを提供したい”。」という考え方に感銘を受けたのだといいます。
「ザ・どんぐり」ともいえる定番の調理パン「ベーコンエッグ」
“夜に買い求める方だけが冷めて硬くなったパンを食べるのは何か違うのではないか”。そうした違和感から、朝・夜どの時間帯に来店しても“焼き立て”があるお店になったことを知った矢本さん。
「他ではなかなか挑戦できないことをやっているなと思いましたし、1番惹かれた部分ですね。」と、当時の想いを語ってくれました。
スタッフもお客さまのトレーの中身を気にかけているそうで、焼き立てのパンがあれば会計時やお買い物中に積極的に声をかけて交換するのだそう。そんな心配りは“こうしたら喜んでもらえるのでは”という自発的な考えから生まれ、少しずつスタッフの間に浸透していきました。
ちくわに手作りのツナマヨを詰める工程
「どんぐり」といえば、なんといってもその名が広がるきっかけとなった代名詞“ちくわパン”。「紀文食品」へ特別注文をしているちくわは、パンと一緒に焼き上がった時に丁度よい仕上がりになるよう、少し長めにつくられているといいます。
ふんわりもっちりとした適度な甘みのある生地に、飴色になるまで1時間じっくり炒めた玉ねぎ入りのツナマヨをちくわに詰めて一緒に焼いた調理パンは、素材のすべてが絶妙にマッチ。世代を問わず多くの方に支持されているのもうなずけます。
焼き上がった「ちくわパン」。もこもことしたフォルムがなんとも愛らしい
実はこの“ちくわパン”、お客さまの“おかずみたいなパンがほしい”との声から生まれたもの。
「『どんぐり』では、“家庭料理のような素朴で庶民的なパン屋を目指そう”という想いがあって。お母さんが作ったおかずをパンに乗せるようなイメージもあり、必然的に調理パンが増えていったのだと思います。」
パンに使用される野菜は、札幌近郊のまちから集まる八百屋さんで調達することも多いそう。カレーやコロッケ、カスタードクリームにあんこなど、自分たちで作れるものはできるかぎり自分たちで。粉から具材まで店内で丁寧に仕込まれたパンからは、温かい愛情や安心感が伝わってきます。
親しみやすさを感じる「どんぐり文字」
売場づくりで大事にしているのは、“おいしい”だけではなく“ワクワクできるかどうか”。大皿やバットにドンと盛られる様子や、創業当時から受け継がれる“「どんぐり」らしさ”の一つ「どんぐり文字」を使用したインパクトのあるPOPが、よりいっそう楽しい気持ちを引き出してくれます。
また、常に新商品に出会えることも「どんぐり」ならでは。全店舗合わせて年間500種類ほどの新たな味が生み出されており、矢本さんもスタッフとチームを組み挑戦したことがあるそう。いつ訪れても“次の来店が楽しみになる”お店づくりができるのは、こうしたスタッフのチャレンジを後押しする環境があるからこそかもしれません。
常にお客さまの視点に立ち、喜ばれることを実践しつづけている「どんぐり」。昨年オープンした「ココノススキノ店」では、“いつもとちがう「どんぐり」”を味わうことができます。
定番のパンをそろえつつもお店限定のオリジナルパンが多く並んでいることや、これまでと作る工程は同じパンでも素材をグレードアップさせるなど、道外から足を運ぶお客さまも多い“すすきの”という立地だからこそのひと工夫が加えられています。
「塩パン」を成形する工程。手に馴染んだ無駄のない動きで手早く形づくっていくさまは圧巻
たとえば、長年愛されているカレーパンにお肉が入っていたり、クリームパンの生地によりふわっと感を出すことでやさしい味わいに仕上げたり。人気の塩パンは粉の種類を変えてもっちり感を加えることで食べごたえと味の広がりをもたせるなどの工夫も。
“いつもよりちょっと特別”な「どんぐり」は、はじめて訪れる方はもちろん、普段から親しんでいる方にとっては“新たな発見”のあるお買い物体験となりそうです。
(左)「クイニーアマン」(手前)パンに劣らない人気を誇る「串ザンギ」
そんな「ココノススキノ店」でのおすすめを尋ねると「発売当初から人気で定番になっている“クイニーアマン”ですね。見た目の大きさやバリバリとした食感、マカダミアナッツのコリっとした食感が楽しいです。“塩パン”もおすすめですよ。」と、矢本さん。
「ココノススキノ店」限定の「もちふわ かぼちゃ餡バター」
「『どんぐり』は“繋がり”を大切にしてきたからこそ40年を迎えられたのだと思います。これから先はお客さまはもちろん、地域の方々や、支えてくれている業者の方とももっと繋がりをもち、最近はじめた『パン教室』のように一緒に活動する機会も増やしていきたいですね。」
地域の声に耳を傾けこたえつづけてきたお店として、繋がりの輪を深めコツコツとまちに貢献していく。愛のこもった手作りパンと心躍る空間、そして新たな試みや心配りで常に楽しい気持ちを届ける「どんぐり」。矢本さんから語られた数々のお話の中に、人々を惹きつける魅力がたくさん散りばめられていました。
どんぐり(ココノススキノ店)
住所:北海道札幌市中央区南4条西4丁目1番地1 ココノススキノビル地下1階
電話番号:011-206-0692
アクセス:地下鉄南北線「すすきの駅」より徒歩1分程度
HP:https://www.donguri-bake.co.jp/
SNS:https://www.instagram.com/donguri.official/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。