2024.07.31
カレーの市場は夏が最も売れ行きが伸びます。食欲が落ちてしまう夏に沢山の具材とスパイスが入ったカレーを汗をかきながら食べると爽快です。 今ではすっかり日本人の国民食となったカレー。しかし、戦後の日本の「ライスカレー」は高価な食べ物でした。
手軽に味わえないかと考案されたのが「やまとの味カレー」。 誕生から半世紀以上経った現在でも全国各地で愛され、様々なコラボ商品も誕生するなど、成長し続けています。 実は「やまとの味カレー」は佐世保の老舗メーカーということをみなさんご存知でしょうか? 佐世保駅構内の直売所を訪れ、やまとの味カレーが愛される秘密と発祥の地での楽しみ方を伺いました。
佐世保駅の切符売り場横にあるのは、60年以上愛されている老舗メーカー『大和製菓』の直売所。大和製菓は一番人気の「やまとの味カレー」をはじめ、約20種類50品目のスナック菓子や和菓子を製造する佐世保の老舗メーカーです。
その歴史は戦後間もない、1952(昭和27)年に佐世保市街地で菓子問屋として『石田重(いしだしげ)商会』からスタート。問屋から製造業へ転換し、1960(昭和35)年に佐世保市大和町で現在の株式会社大和製菓となりました。
「意外とうちのお菓子が佐世保のものだと驚く人は多いんですよ〜!ここ(直売所)はお土産にぴったりな商品があるので、いろんな人に楽しんで欲しいですね」
気さくに話していただいたのは、常務取締役の吉川伸一朗さん。
一番人気の味カレーのスパイスは職人が独自にブレンドした門外不出のレシピ。季節や天候で変わる絶妙な調節も代々受け継がれ、今日まで変わらない味を守っています。
パッケージの中央にいるのは、オリジナルキャラクターのやまとくん。いつ誕生し、誰がデザインしたものかわからない…実は謎多きキャラクターです。
「創業当時から居たようですが『大和製菓やけん、やまとくんで良かっちゃなかー?』ということでやまとくんです(笑)モチーフも侍なのか謎なんです」
コラボ商品などで誕生する新しいやまとくんのデザインは吉川さんがラフ画を担当し、デザイナーにお願いしています。誰がデザインをしたのか、モチーフやネーミングも諸説あり…謎が多いキャラクターだからこそ、愛される秘訣なのかもしれません。
全国各地のスーパーやディスカウントショップで購入できる大和製菓のお菓子。
しかし佐世保生まれのお菓子として地元の方の認知度は低く「味カレーって佐世保のもん(物)やったと!?」と驚かれる方も多かったといいます。
そこで地元の人に認知してもらうべく、2012年に大和町に直売所をオープン。その後、観光客や通勤通学で多くの人が利用する佐世保駅構内にもオープンしました。
佐世保駅の直売所には、お土産として大きなパッケージのお菓子やオリジナルグッズが多く並び、観光客や通勤通学などで行き交う人々の目に留まります。
グッズの中には、ハンドメイド作家さんが一つ一つ手作りのため大量生産が難しいレアなオリジナルグッズもあります。発祥の地だからこそ手に入るレアなオリジナルグッズは、時には関東から買い求めに直売所を尋ねたお客様もいるようです。
「懐かしいおかし」として思い出すお菓子は時代と共に多様化が進んでいます。
大和製菓のお菓子は、いつまでも変わらない懐かしいスパイスで、子供だけでなく、忙しい日々を送る大人の思い出を蘇らせてくれます。
株式会社大和製菓 佐世保駅構内直売所
電話:0956‐33‐1155(工場)
住所:長崎県佐世保市三浦町21−1
アクセス:佐世保駅構内 切符売り場横
SNS:https://www.instagram.com/yamato_seika/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。