2024.04.15
NEIGHBORS
「大阪の食べものといえば?」そう問われると、”粉もん”を思い浮かべますが、実は大阪は「スパイスカレー発祥の地」として熱狂的なファンが全国から集まる場所でもあるのです。
梅田から電車で1駅。都会的な街並みから一転、戦前の古民家を活用したお店が並び、大阪の今と昔が入り混じる中崎町に開かれたのが「ドラマチックカリーゴールデン中崎」。
同店のプロデューサーを務め、大阪のスパイスカレー文化を牽引する三嶋達也(みしまたつや)さんにお話をうかがいました。
スパイスカレーは大阪だからこそ生まれた食文化
スパイスから作り、独自のアレンジを加えたカレーをスパイスカレーと呼ぶそうですが、その味は千差万別。フリースタイルのカレー文化について三嶋さんはこう語ります。
「スパイスカレーは、大阪の土壌でしか生まれなかった料理だと思います。フリースタイルが身上であり、サービス精神がもたらす『やりすぎの美学』。そしてその個性が『オモロい』と受け入れられる場所。皿をキャンバスに見立てて、自分のカレーを表現するために試行錯誤を重ねる人達がいたんです。」
三嶋さんは、スパイスカレーのことを「一皿の宇宙」とも表現します。様々な食材が混じり合って一つの世界(食事体験)を構築する。その計り知れない可能性が多くのファンをスパイスカレーの探求へと誘います。
お出汁とスープの旨味に執着しすぎたスパイスカレーが生まれた理由
2022年4月に開店した「ドラマチックカリーゴールデン中崎」は、カレープロデューサーの三嶋達也さんと、「らーめん小僧」の堀川大地さんがタッグを組んで誕生しました。
偶然出会った、カレーとラーメンの作り手。種類は違えど食を追求する二人は意気投合し、互いのスパイスやスープを渡し合い、コラボ商品を作っていたとか。出会いから数年、三嶋さんが本格的に「らーめん小僧」のスープを使用したカレー店の構想を持ち込み実現した、まさにドラマチックなお店です。
「『ラーメンとカレーが手を組んだら最強やん』って何度も話していたんです。最大公約数的に多くの人に美味しいと思ってもらえるカレーが作れると確信していました。」
渾身の一皿・看板メニュー「あいがけカレー」
三嶋さんのカレー創作欲を掻き立てる「お出汁とスープ」との運命的な出会い。しかし、ラーメン用のお出汁やスープをカレーに転用することは簡単ではありませんでした。看板メニュー「あいがけカレー」が現在の形に至るまで、試行錯誤を重ねたそう。
「あくまでも、カレーとして味を整えなければいけない。カレーを提供しているのに、ラーメンを食べたような感覚になってはやる意味がありません。絶妙なバランスで出汁とスープの旨味を落とし込みました。」
あいがけカレーが出されると、まず目を奪われるのは右手の透明なカレー。8種の魚介を煮出した出汁を使用し、とろみをつけています。左手には、豚骨スープの旨味をベースにした中崎カリー。スパイスと旨味の調和が感じられます。
さらに、卓上には3種の味変アイテムが。辛増しスパイスオイル・果汁100%ゆず酢・ブースターソースをお好みで使用し、変化するお味を楽しんでください。
スパイスカレーを身近なものにしたい
三嶋さんは、カレーファンコミュニティ「口癖はカレー」を運営したり、数々のカレーイベントに登壇したりと、カレー文化を牽引していく存在。
ファンの中心となり業界を盛り上げてきた三嶋さんですが、今後はより幅広い層に発信し、スパイスカレーを大衆的な食べ物として浸透させたいと話します。
「スパイスカレーと聞くと敷居が高く感じる方もいます。そういった方達にも魅力に気づいてもらえるよう、誰でも入りやすい店を目指しています。うちをキッカケにして好みのスパイスカレー屋を発掘してほしいですね。」
“粉もん”が独占してきた大阪の食文化に、風穴を開けたスパイスカレー。「ドラマチックカリーゴールデン中崎」はこれからもお出汁とスープの旨味に執着し続け、粉もんとの接点を探りつつ、食べた人があっと驚く一皿を追求していきます。
ドラマチックカリーゴールデン中崎
電話:06-6359-8006
住所:大阪府大阪市北区中崎1-6-18
アクセス:大阪メトロ中崎町駅すぐ
HP:https://dramatic-curry.com/
SNS:https://www.instagram.com/dramati.nakazaki/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。