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2025.04.20

薬のまちに鎮座する「少彦名神社」で願う日々の健康

NEIGHBORS

薬のまちに鎮座する「少彦名神社」で願う日々の健康

大阪の街は、東西にのびる通りを挟んで両側に町が発展してきた「両側町(りょうがわまち)」の特徴を持っています。その中で、薬を専売する商人が集まり、形成されたのが「道修町(どしょうまち)」です。

Osaka Metro堺筋線北浜(きたはま)駅より徒歩5分ほどのところに位置するこの町は、日本の医薬産業の発展に深く関わり、今もなお多くの製薬会社や薬問屋が軒を連ねています。

この町に根付き、医薬と健康の神として親しまれる「少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)」は、地元の人々から“神農(しんのう)さん”の愛称で呼ばれ、日々の健康を祈る大切な場所となっています。

薬の町・道修町に佇む健康の守り神

ビルが立ち並ぶ谷間にひっそりと佇む「少彦名神社」

ビルが立ち並ぶ谷間にひっそりと佇む「少彦名神社」

「少彦名神社」の起源は、1722年に徳川吉宗が漢方薬の原料を専売する薬種商人の活動を正式に認めたことにさかのぼります。

1780年、日本の薬である和薬も取り扱うことになったことをきっかけに、薬種商人たちは京都五条天神宮から分霊を勧請し、日本の医療の神「少彦名命(すくなひこのみこと)」と中国の医療の神「神農氏」を一緒に祀る形で神社を建立。以来、地域の健康を守り続ける役割を担ってきました。

現在の社殿は1910(明治43)年に建てられた木造のもの

現在の社殿は1910(明治43)年に建てられた木造のもの

1822年に大阪でコレラが流行した際、「虎頭殺鬼雄黄圓(ことうさっきうおうえん)」という虎の頭の骨から作った丸薬が効果を示したことをきっかけに、張子の虎が神社の象徴となりました。太平洋戦争中の空襲では、「少彦名神社」のほか、小野薬品工業株式会社など薬を扱っていた企業の建物も焼失を免れ、薬の神様が街を守ったと語り継がれています。

神社の象徴「張子の虎」のお守り

神社の象徴「張子の虎」のお守り

今も続く、薬の町にある企業との強い結びつき

小川香料株式会社が奉納する、アロマが香る参道

小川香料株式会社が奉納する、アロマが香る参道

参道を歩くと、ふわりと広がる爽やかなアロマの香り。この香りは、地元に本社を置く小川香料株式会社が奉納しているものです。同社は香料の専門企業としての知見を活かし、訪れる人々に安らぎを提供する香りを選び抜いています。

毎年11月22日・23日に開催される神農祭は、江戸時代コレラ流行の際に丸薬を作った時から続くお祭りです。薬祖講(やくそこう)という約400の薬業関係企業が支えるこの祭りには、多くの地元企業が医療の安全を祈るために参拝します。

コロナ治療薬が承認された日が神農祭の日と重なった偶然は、200年前から医療の安全を祈る伝統が今なお続き、道修町が人々の命を守る役割を担っていることを象徴しています。

すべての命に寄り添う健康祈願の社

多くの参拝客がペットの健康を願って絵馬に想いを綴る

多くの参拝客がペットの健康を願って絵馬に想いを綴る

神農さんにお参りするのは、薬の町の人々だけではありません。日々の健康を祈る人々や医療の道を志す学生など、全国から参拝客が訪れます。ここ最近では、地元企業が動物用医薬品の祈願をしたことをきっかけに、ペットの健康を願う参拝者も増加しています。  

色ごとに厄除けや幸福祈願など違った意味が込められている 

色ごとに厄除けや幸福祈願など違った意味が込められている 

参拝後、神社のシンボルである張子の虎を授かる(お守りいただく感謝の気持ちとして代金を納める)人も多いですが、健康成就を祈願した腕輪のお守りも人気です。神社を象徴する勾玉(まがたま)を使ったこのお守りは、医薬の神様の力を分けていただくことができ、日々の健康を守る心強い存在です。

健康を祈る大人の旅へ 薬の町の物語

神社とまちの歴史を教えてくれた深澤さん

神社とまちの歴史を教えてくれた深澤さん

「大阪は昔から商売の街。皆で一体となってより良い街を作ろうという文化があるからこそ、人情味にあふれる人が多い。」と語るのは、「少彦名神社」に併設された「くすりの道修町資料館」の館長、深澤 恒夫(ふかざわ つねお)さん。

「気軽に話しかけていただければ、町のことをいくらでも教えますよ。」と笑顔を見せるその姿には、地域文化を守り、未来に伝えたいという強い思いがにじんでいました。

薬の町・道修町の歴史に触れ、健康への感謝を胸に感じる時間。“これからも健やかに過ごせますように。”と、「少彦名神社」で健康を祈るひとときは、大阪旅行をより味わい深いものにしてくれます。


少彦名神社 
電話番号: 06-6231-6958 
住所:大阪府大阪市中央区道修町2-1-8  
アクセス:地下鉄堺筋線 北浜駅から徒歩5分
HP  :https://www.sinnosan.jp
SNS:https://www.instagram.com/sinnosan/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。