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2026.07.10

ちょっと贅沢な器で食卓に華やぎを。横浜元町で140年続くテーブルウェア専門店

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ちょっと贅沢な器で食卓に華やぎを。横浜元町で140年続くテーブルウェア専門店

異国情緒漂う洋館が点在する山手から、緩やかな坂を下った先に広がる横浜元町。開港の記憶を色濃く残すこの街で、140年以上にわたり商いを続けるのがテーブルウェア専門店「タカラダ」です。

1882(明治15)年、居留地に住む外国人からのニーズが高かった家具屋として創業しました。来日した外国人たちはスーツケース1個ほどの身の回りの品しか持っておらず、使い慣れた家具がないことに困っていたといいます。

そこで創業者は、彼らの身振り手振りの説明や記憶頼みのラフな図面から想像を膨らませ、母国で使われていた家具をひとつずつ製作。これが「タカラダ」の長い歴史の始まりでした。

焼け跡から再起へ。家具屋から食器店への転換

1910(明治43)年代のお店の様子。当時は「家具製作所」の看板を掲げていた(提供:タカラダ)

1910(明治43)年代のお店の様子。当時は「家具製作所」の看板を掲げていた(提供:タカラダ)

第二次世界大戦により元町は一面の焼け野原と化し、売り物の家具もすべて灰となってしまいました。そうした中、熱に強い食器類は防空壕の奥深くで難を逃れます。終戦後、再起をかけた当時の店主がこの器をきれいに磨き上げて店頭に並べると、本牧(ほんもく)などの居留地に住むアメリカ兵たちが帰国時のお土産としてこぞって買い求め、大変な評判を呼びます。

「食器が飛ぶように売れる」という実績が国内メーカーとの取引の呼び水となりました。各地の食器メーカーから次々と取扱いの打診が舞い込むようになったのを機に、「タカラダ」は家具屋から食器のお店へと変わっていったのです。その後、日本の暮らしが洋風化し、家庭に洋食器をセットで揃える文化が定着していったことも、専門店としての繁栄を後押ししました。

日常にささやかな贅沢を。横浜の記憶を映すオリジナル食器

横浜の風景を鮮やかなブルーで描いた絵皿やマグカップなどのオリジナルシリーズ

横浜の風景を鮮やかなブルーで描いた絵皿やマグカップなどのオリジナルシリーズ

店頭の一角に、鮮やかなブルーで彩られた食器が陳列されています。描かれているのは、横浜の過去と現在の風景。1980(昭和55)年代から展開する「タカラダ」のオリジナル商品の一つです。材質や使い勝手など細かいところまでこだわって作られており、横浜市の花であるバラをあしらった華やかなシリーズなどもあります。

例えばマグカップは、指になじむ大きめの持ち手や、持ったときに驚くほどの軽やかさを実感できる作りが特徴。量産品にはないこだわりが詰まった上質な器だからこそ、食卓に一点取り入れるだけで日々の暮らしの雰囲気はがらりと変わります。

卓の上が華やぎ、いつもの食事の美味しさまで変わっていく―。そんな器がもたらす豊かさを「タカラダ」は提案し続けています。

器が語る食の歴史。物語を伝えるアンティークの魅力

金彩と色鮮やかなバラのデザインが目を引く「オールドノリタケ」のカップ&ソーサー

金彩と色鮮やかなバラのデザインが目を引く「オールドノリタケ」のカップ&ソーサー

「タカラダ」は、貴重なアンティーク食器も多数取り揃えています。その代表格が、明治から戦前にかけて外貨獲得のために輸出され、近年アメリカから買い戻された「オールドノリタケ」です。

芸術品のような佇まいで魅了する器の数々は、かつての西洋の生活様式や文化を今に伝えています。例えば、現代では見かけない「セロリ専用の皿」。当時の欧米においてセロリは専用の器が用意されるほど高価な野菜だったという、意外な食の歴史をうかがい知ることができます。

こうした背景にある物語を丁寧に伝えることで、食器が単なる日用品を超えた存在に見えてきます。専門店ならではの知見を生かし、器が持つ奥深さを知ってもらうことも、同店が大切にしている商いの姿勢です。

伝統を次代へ。「優雅な生活を楽しむ」ための器選び

専門店ならではの奥深い知識を気さくに教えてくれた5代目の宝田博士さん

専門店ならではの奥深い知識を気さくに教えてくれた5代目の宝田博士さん

5代目の宝田博士(たから だひろし)さんは横浜元町ショッピングストリートの「協同組合元町エスエス会」理事長も務めており、子育て世代に街へ足を向けてもらうため、通りにメリーゴーランドを設置するイベントを企画するなど、将来を見据えた街の活性化に奔走してきました。「近隣施設と手を携え、地域に根ざした面白い場所にしたい。」と、専門店の魅力を次代へ繋ぐ活動を続けています。

そんな元町で140年以上の歴史を刻んできた「タカラダ」。現在は和食器やインテリア雑貨、アクセサリーなども販売しています。扱う品は時代とともに変わっても、「優雅な生活を楽しむ」という店のコンセプトは変わりません。

横浜を訪れた際には、少し足を延ばして元町へ。食卓に新鮮な華やぎを添え、使うたびに心が躍る、そんなお気に入りの食器にきっと出あえるはずです。


タカラダ

電話:045-641-0057
住所:神奈川県横浜市中区元町3-118
アクセス:みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩5分/ JR石川町駅から徒歩7分
HP: https://takarada.co.jp/
SNS:
https://www.facebook.com/takarada.1882/
https://www.instagram.com/takarada_official/
https://x.com/TAKARADA1882
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンクからご確認ください。