2024.02.06
都会的でありながらも、ひとクセある街で存在感を高めている万世橋高架橋。歴史や文化を生かしながら新たな価値を発信しているこの場所で、日本初となる本格的なロー・ノンアルコールバーを運営している「Low-Non-Bar(ローノンバー)」を訪れました。
ローノンバーは、「お酒を飲まない人も、飲む人も楽しめる」をコンセプトに、ノンアルコールカクテルのメニューづくりや店舗の内装にこだわっています。
バーはお酒が飲める人だけの空間なのか。
こんな言葉を耳にしたことは、ありませんか。
「バーはお酒だけではなく、空間やその場を楽しむもの」
「実際はお酒が飲める人しか楽しめていない。もどかしさを抱いていた。」と語るのは、Low-Non-Bar(ローノンバー)店長の髙橋さん。海外では、すでにノンアルコールバーが確立されています。
日本でノンアルコールバーをオープンしても、受け入れられるかわかりません。誰もが楽しめるバーをつくることは、社会的にも意味のあることだと考え、オープンを決意したと、高橋さんは教えてくれました。
Low-Non-Bar(ローノンバー)は、日本橋で産声をあげました。2階にいわゆる”バー”があり、1階にLow-Non-Bar(ローノンバー)。その日の体調や気分にあわせて、お店を選べるスタイルです。
そして、オープンした1年後、万世橋高架橋に場所を移すことになりました。
お酒が強くなくても楽しめる空間づくり
Low-Non-Bar(ローノンバー)の扉を開けると、赤レンガが目に入ります。万世橋駅開業当時からあるものを生かしながら、正統派のバーを楽しめるこだわりがつまっています。
カウンターテーブルは楕円を描いたようなつくりで、どの席からもバーテンダーがカクテルをつくる姿を見ることができます。さらに、クッション性のある肘掛けも。
髙橋さんは、語ります。「バーの世界では、背もたれに背をつけてはいけないという考え方があります。昔ながらの美学を意識したつくりです。肘掛けを使うことで、自然と背筋が伸びます。」
カウンターの背には、ゆったりと深く腰掛けられるアンティークのソファーも。晴れた日には、入口付近から差し込む陽の光が、店内に明るさを取り込みます。
髙橋さんに、お客様のことも伺いました。「いわゆるお酒が飲めるバーと比べると、利用時間やお客様の年代層が幅広いのも特徴のひとつです。飲んだ後の予定を気にしなくて良いので、食前や休憩として利用される方も。また、妊娠中の方、海外から観光で日本に訪れた方も楽しんでいらっしゃいます。」
金柑とジュニパーベリー(ねずの実)を楽しむカクテル
コースターも、カクテルやグラスに合わせてコーディネートしています
和を感じるカクテル
チョコレートの甘さに、わさびのピリリとした刺激がアクセントに
ノンアルコールカクテルが当たり前にある世の中に。
ノンアルコールカクテルが、当たり前にある世の中にしたい。
強い思いの裏側には苦しい課題も。
「ノンアルコールカクテルに使用するのは清涼飲料水です。保存性の観点から、短期間に使い切らなければなりません。さらに、輸入するハードルも高く、少量多品種を楽しめるアルコールと比較すると、扱いにくいのが難点です。」と語る高橋さんは、続けてこうも語ります。
「作り手の課題もあります。腕利きのバーテンダーでも、ノンアルコールカクテルの経験が少ないことです。バーテンダーには、クリエイティブな素養が必要なんです。さらに、ノンアルコールカクテルのことをジュースと捉えられてしまうことも、普及のハードルだと考えられています。」
お酒が飲める人も、飲めない人も、誰もがバーを楽しめる世の中に。
万世橋高架橋から日本、そして世界へ。ロー・ノンアルコールを通して新たな価値観を届ける髙橋さんの挑戦は始まったばかりです。
Low-Non-Bar
電話:03-4362-0377
住所:東京都千代田区神田須田町1-25-4 マーチエキュート神田万世橋1F-S10
アクセス:JR 秋葉原駅(電気街口)から徒歩4分/東京メトロ 銀座線 神田駅(6)から徒歩5分/東京メトロ 丸ノ内線 淡路町駅(A3)から徒歩3分
HP:https://orchardknight.com/bar/low-non-bar
SNS:https://www.instagram.com/low_non_bar/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記リンク先にてご確認ください。