2024.05.21
さまざまな文化が混じり合うミックスカルチャーの町、町田。
活気あふれる町田駅から15分ほど歩くと、自然豊かな芹ヶ谷公園内に佇むのが、世界でも数少ない版画を中心とする「町田市立国際版画美術館」です。
「町田市立国際版画美術館」は古今東西、約3万点以上の版画作品の展示・保存を行う世界でも数少ない版画専門の美術館。1987年に、30万人都市町田市に相応しい文化施設として誕生しました。
「日本の公立美術館は、地域ゆかりの作家、近代美術などを収集方針とすることが多いようです。そうしたなかで町田市は、美術館の創設時に版画専門という新しいコンセプトを打ち出しました。」そう答えてくださったのは学芸員の高野さん。
大学で西洋美術を学んだ高野さんは、希少価値の高い西洋の版画が多数展示されていることに魅力を感じ、町田市立国際版画美術館に学芸員として応募されたとのことで、現在は主に展覧会や作品の調査、教育なども支援されています。
彫刻刀で削って、白黒で刷るという一般的な版画のイメージとは異なり、多色刷りや複雑な技法もある版画。そういった多岐にわたる技法から作り出される奥深さが版画の魅力です。
「作品をじっくり観察すると、絵画のように独特のテクスチャーや技法が分かります。また細密な作品も多く、拡大鏡を使用して見ている方もいらっしゃいます。インクの深みなども色々な見方をできるのが版画の魅力ですね」と高野さん。
展示室には様々な技法が一覧になっているものもあり、技法の違いを見ながら版画の魅力を楽しむことができます。
町田市立国際版画美術館は「見る楽しみ」「作る楽しみ」だけでなく、「発表する楽しみ」もモットーとしており、市民展示室には作家だけでなく、町田市民の作品も多数展示されています。
また版画工房では不定期で版画体験を開催。体験内容は幅広く、多様な技法を楽しめる体験や子供も参加可能なTシャツ刷り体験もあります。体験は毎回、すぐ予約が埋まってしまうほど人気とのこと。「以前、体験参加後にお子さんの作品を受け取りに来た親御さんがとても喜んでいたのが印象に残っています」と職員の西さんは嬉しそうに語ってくれました。
ミュージアムショップでは、版画作品がデザインされた缶バッチやクリアファイル、収蔵作品のポストカードなどが販売されています。展示作品によって商品ラインナップを変えているそうで、展示されている作品の関連商品などを購入することもできます。
町田市では現在、美術館のある芹ヶ谷公園では、町田らしい多様なアートやカルチャーに親しめる公園を目指して、”芸術の杜”パークミュージアムの整備を進めており、美術館もリニューアルを予定しています。
町田市民からも愛される「国際版画美術館」。来場者のアンケートからこの魅力をもっと多くの人に伝えてほしいとの声も。
「新型コロナウイルスの影響も少なくなり、現在は国内外から多くの方にご来館いただいています。町田市民に親しまれるとともに、町田市のブランディングにつながるような美術館にしたいです。」と学芸員の高野さんは力強く語ってくれました。
町田から世界へ版画の輪を今後も広げていく。
「町田市立国際版画美術館」をきっかけに、今後町田が世界を代表する版画の街、アートの街と言われる日は近いでしょう。
町田市立国際版画美術館
電話番号:042-726-2771
住所:東京都町田市原町田4-28-1
アクセス:小田急線町田駅より徒歩約15分/JR横浜線町田駅(北口)より徒歩約15分
SNS:https://twitter.com/machida_hanbi
※営業時間や定休日についての詳細は、上記リンク先にてご確認ください。