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2026.05.10

多くの人でにぎわう町田駅から東へ約2km。成瀬駅の周辺には、打って変わって静かな住宅街が広がります。その一角で鮮やかに映える赤いテントが、「ホームデリカTAICHI」の目印です。店内に据えられたショーケースには、職人がこだわりを持って作った多種多様な自家製ハムやソーセージが所狭しと並んでいます。
店を切り盛りするのは、店主の佐々木太一(ささき たいち)さん。笑顔で店に立つ佐々木さんのご両親とともに接客に当たる姿からは、昔ながらの温かさと家族の絆が感じられます。
このアットホームで飾り気のない空間から、多くのファンに愛される名物が誕生しました。

店内に据えられたショーケース。手作りの品々が並ぶ
もともとは世田谷区で肉屋を営んでいた佐々木さん一家が、親族が物件を所有していた成瀬へと移ってきたのは1994(平成6)年のこと。当初は従来通り生肉をメインに取り扱っていましたが、近隣に大型スーパーが出店したことなどを受け、自家製のハムやソーセージといった加工肉を扱う店へと舵を切りました。
そうした中で誕生したのが、現在は店の看板商品となっている「成瀬ギョーザ」。ウインナーの見た目をした餃子というユニークな一品です。
着想の源は世田谷時代から作っていた手作り餃子。「餃子を上手に焼くのは難しい。それならウインナーのように腸詰めにしてみたらどうだろう?」というひらめきがきっかけでした。フライパンの上で転がすだけで調理ができ、家庭でも手軽に餃子を味わえるはず――そんな思いから開発がスタートしました。

「まちだ名産品」にも認定されている看板商品「成瀬ギョーザ」
現在の味にたどり着くまでには、約3年もの試行錯誤がありました。開発当初、シンプルに餃子の餡を腸詰めにしてみたところ、調理の過程で水分が抜けてしまい、パサパサとした食感になってしまったといいます。佐々木さんたちは何度も試作を重ね、そのたびに歯ざわりやジューシーさを確認して理想のクオリティを追い求めました。

その結果行き着いたのが、すべての材料を国産で揃えた上で「手作業」でこねることでした。季節によって変わる野菜の水分量に合わせて、手の感覚で水の量を微調整。そうして手仕事にこだわることで、ついに「見た目はウインナー、食べると餃子」という不思議な魅力を持つ「成瀬ギョーザ」が完成しました。

角切りハムが入った「ビアシンケン」など、そのまま食べられる自家製スライスハムも販売
店頭には、大手メーカーの製品とは一線を画す、自由な発想から生まれた自家製のハムやソーセージが数多く並んでいます。
アイデアの起点は、店主の「自分が食べて好きなもの」という素直な感覚です。「自分がお酒好きですから、山椒風味のウインナーがあったらよいつまみになりそうだなとか。子ども向けに枝豆入りのウインナーがあったらいいんじゃないかとか、そんな想いから開発が始まるんです。」と佐々木さんは話します。梅しそ入りのソーセージも人気商品だそう。
製法にも特徴があり、あえて燻煙を入れない「ノンスモーク」を採用。スモークをかけないからこそ引き出される、柔らかく瑞々しい食感も魅力です。

店主の佐々木太一さん。日々新しい味を追求している
同店には地元の常連客のほか、評判を聞きつけて遠方から足を運ぶ客も訪れます。店側では遠方からの買い手にも配慮し、無料の保冷剤や保冷バッグを用意しているほか、地方発送にも対応しています。
「まちだ名産品」に認定されている「成瀬ギョーザ」は町田駅周辺でも一部購入できますが、本店ならではの多彩な品揃えに直接触れられるのはこの成瀬の店舗だけです。
何より、店に立つ佐々木さんやそのご両親の笑顔や温かい接客に直接触れられることこそが最大の魅力。町田周辺を訪れた際には、隣駅まで足を延ばして店を訪ね、家族の温もりが詰まった手作りの味をお土産に選ぶ。それもまた、この地域を旅する楽しみ方の一つです。
ホームデリカTAICHI
電話:042-799-0229
住所:東京都町田市成瀬が丘3-4-12
アクセス:JR成瀬駅から徒歩4分
HP:https://naruse-gyoza.com/
SNS:https://www.instagram.com/narusegyoza.1995/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンクからご確認ください。