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2024.09.30

伝統が積み重ねてきた「日本一しょうゆ」の味わいを町田から届ける

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伝統が積み重ねてきた「日本一しょうゆ」の味わいを町田から届ける

私たちの食卓に欠かせない存在であるお醤油。馴染みのある家庭料理の多くには醤油が使われ、日本の味を担っている調味料と言っても過言ではありません。

町田駅から徒歩20分ほどにある岡直三郎商店(おかなおざぶろうしょうてん)は、200年以上お醤油を届けてきた老舗です。「日本一しょうゆ」と銘打ったお醤油は、創業から続く木桶を使った伝統的な製法で作られ、多くの人々に愛される名品。町田本社にある「きおけショップ桶忠(おけちゅう)」では、日本一しょうゆを実際に手に取ることができます。

町田の発展に寄り添い続けている老舗

岡直三郎商店は1787年に醤油や穀物を販売する商店として創業しました。最初は群馬県の大間々(現在のみどり市)を拠点に事業を進め、1912年に岡直三郎商店の3店舗目として町田に工場を建設しました。

岡直三郎商店が町田を選んだ理由は歴史的な背景が関係しています。当時、町田は日本の主な輸出品であった生糸を集積する八王子と、貿易の拠点である横浜港をつなぐ「シルクロード」の重要な中継地点。そのため、町田は常に多くの人が行き交う活気ある場所でした。岡直三郎商店はその活気に注目し、町田を拠点に商品を届けたいと思ったそうです。

工場が完成してまもなく、町田に小田急線が開通します。当時、岡直三郎商店の工場は駅のすぐ近くにあり、町田駅に降り立つ人たちの間で「しょうゆのいい香りがする」と評判になった逸話もあるそうです。その後、町田の発展とともに幾度かの移転を経て、現在の旭町に本社を構えています。

シルクロードの拠点として栄え、小田急線が開通したことで暮らす場所としても発展してきた町田。岡直三郎商店は常に街の変化に寄り添いながら、町田を拠点にお醤油を届けてきました。町田で100年以上商いを続けてきた岡直三郎商店は、町の歴史を知る企業としても稀有な存在となっています。

木桶を使った伝統的な製法が生み出す、奥深い味わい

醤油を製造している様子(提供:岡直三郎商店)

醤油を製造している様子(提供:岡直三郎商店)

200年以上の歴史を持つ岡直三郎商店が守り続けているのが、「日本一しょうゆ」の味わいと伝統です。「日本一しょうゆ」は岡直三郎商店がつくるお醤油の名称で、日本一のお醤油にふさわしくなれるよう、謙虚に研鑽を続けるという意味合いが込められています。

日本一しょうゆの特徴は伝統的な製造方法を継承している点にあります。日本一しょうゆの製造過程では大きな木桶を使用し、天然熟成・天然醸造にこだわって作られています。

一般的に、お醤油は半年程度で商品化されることが多いなかで、日本一しょうゆは1〜2年かけて、お醤油をじっくり熟成させていきます。伝統的な製法で丁寧に作られた日本一しょうゆは、濃厚でキレのある味わいが大きな特徴です。

日本一しょうゆの製造方法は多くの時間を要し、気候に合わせた温度調整が非常に難しい製法です。それでも、伝統的な製法を守り続けているのは「古来から続く製法でつくったお醤油の味を楽しんでもらいたいから」だと取締役・岡宗晃(おか・むねあき)さんは話します。

「木桶で作ったお醤油の生産量は全体の1%くらいしか占めておらず、いわば絶滅危惧種的な製法だと言えます。最近は、国内外問わず「日本の伝統的な味」を求める声も高まってきていると感じていて、古来から続く伝統の味を続けていくことに価値があるのではないかと思っています。」

手間や時間を要しても、伝統的な製法を謙虚に守り続ける。それが古来から日本で親しまれてきた味を守り続けることにつながっていく。日本一の醤油にふさわしい存在になるために生まれた日本一しょうゆは、日本の味を伝える大切な存在になっています。

醤油の奥深さを伝える場所としての「木桶ショップ」

きおけショップ桶忠(おけちゅう )。木桶特有の香ばしい木の香りを微かに感じることができる。

きおけショップ桶忠(おけちゅう )。木桶特有の香ばしい木の香りを微かに感じることができる。

日本一しょうゆの味を支えている木桶は、町田本社でショップとして実際に見ることができます。「きおけショップ桶忠(以下、桶忠)」は2011年に町田本社にオープン。木桶のなかは展示スペースになっており、商品は本社にある店内で実際に購入することができます。

設置されている木桶は実際に工場で使用されていたもの。お醤油の作り方や背景を身近に感じてもらいたいという想いが、木桶をショップとして活用するアイデアにつながったそうです。桶忠をきっかけにお客さんが製法に興味を持つ機会も増えつつあり、ときには桶忠をきっかけに、お醤油の作り方を知る人もいるのだとか。

「木桶は私たちの象徴なので。」と微笑みながら語る岡さん。桶忠はお醤油の味だけでなく、お醤油が持つ歴史や文化を伝える場所としても活用されています。

お醤油を売るだけではなく、お醤油の文化を届ける

取締役の岡宗晃さん

取締役の岡宗晃さん

岡直三郎商店の歴史を紐解いていくと、お醤油を販売するだけではなくお醤油の文化をしっかり守り続けている姿が見えてきます。

お醤油の文化を守り続ける方法はお醤油をつくるだけではありません。たとえば、お醤油の根幹である木桶をつくる職人がほとんどいなくなってしまい、技術が絶えかけていたそうです。岡直三郎商店では長年使っている木桶を修繕しながら生産しつつ、伝統の味を守るためにも複数の組織と連携し、木桶づくりの技術を残す活動を行っています。

木桶の技術をしっかり守り、木桶を使った製法を続けていくこと。岡さんはそれが日本一しょうゆの魅力である「伝統が積み重ねてきた味わい」を伝えることだと語ります。

「日本一しょうゆの味は、長い年月をかけて得た経験や研鑽を積み重ねた先に生まれたものです。だからお醤油の味わいだけではなく、製法や歴史が貴重な財産であると私たちは思っています。お醤油の味わいだけではなく、その背景となる自分たちの歴史もしっかり伝えていきたいと思います。」

そう話す岡さんのまなざしは、お醤油を売ることだけではなく、醤油が持つ日本の文化を届けることに向けられています。岡直三郎商店は200年以上の歴史を謙虚に守りながら、醤油が作り出す日本の伝統を伝え続けています。


岡直三郎商店 町田本社 きおけショップ桶忠(おけちゅう)
住所:〒194-0023 東京都町田市旭町1丁目23番21号
HP:https://www.nihonichi-shoyu.co.jp/
SNS:https://www.instagram.com/nihonichi_shoyu/
※営業時間や定休日についての詳細は上記のリンク先にてご確認ください。