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2026.09.10

町田駅のほど近く、多くの人々が絶え間なく行き交う旧町田街道。その通り沿いでひときわ目を引く蔵風の建物が、「富澤商店 町田本店」です。ここは1919(大正8)年に海産乾物店として創業したブランド発祥の地であり、現在は全国に94店舗を展開する同社の旗艦店としての役割を担っています。
店内には、製菓・製パン素材から和菓子の材料、原点である上質な海産乾物や、多種多様な調理器具に至るまで、約3,200種類もの商品が並びます。100年を超える歴史の中で、手作りの喜びと豊かな食の愉しみを提案し続けてきました。

「富澤商店」が海産乾物店として創業した背景には、町田の歩んできた歴史が色濃く反映されています。かつて養蚕業で栄えたこの地は、内陸部の生糸を横浜港へと送り出す重要な交通の拠点でした。横浜から戻る行商人が昆布などの海産乾物を持ち帰ったことで、町田には自然と多くの乾物店が軒を連ねるようになります。
数ある店舗の中で、「富澤商店」は築地や日本橋などから品質の高い商品を仕入れ、家庭で使いやすい量に小分けするとともに、買い求めやすい価格で提供しました。こうした「適正な商い」という創業から続く理念と合理的な販売手法によって、同店は独自の存在感を確立したのです。時代を超えて顧客との深い信頼を育んできたその精神は、現在の店舗運営にも根付いています。

創業時から続く乾物の小分け販売。その対象が製菓・製パン材料へと広がり、現在の同店を象徴するサービスとして定着した背景には、時代の変化を見据えた先見性がありました。
「富澤商店」では1950(昭和25)年代から業務用の輸入小麦粉を取り扱っていましたが、当時はまだ家庭でパンを焼く文化は一般的ではありませんでした。それでも、いずれ日本の家庭でもパンづくりが広がり、プロが使う高品質な材料への需要が高まると予見。
家庭用オーブンが普及し始めた1970(昭和45)年頃には、業務用小麦粉の小分け販売を本格化しました。現在では数多くの業務用小麦粉を家庭でも使いやすい容量で取り揃えています。
専門店の確かな品質を、日々の暮らしに寄り添う「最適な量」で提供する。その姿勢には、手作りの愉しみをより身近に感じてほしいという、老舗ならではの願いが込められています。

店舗奥の壁一面には、専門的な製菓器具がずらりと並びます。これだけ充実したラインナップは、旗艦店である「町田本店」を象徴する光景といえます。
売り場では、季節の移ろいとともに、お客様とスタッフの間でさまざまな対話が交わされるそう。春にはムースフィルム(ムースケーキの型に使用される透明フィルム)、冬にはノエル箱(長方形のケーキ箱)を求めて、近隣の製菓専門学校に通う学生たちが訪れます。
また、晩秋から初冬にかけて「今年の新豆の入荷はいつか。」「お正月用の黒豆の質はどうか。」と、長年通い続ける方がスタッフへ問いかけることも増えるといいます。

晩秋から初冬にかけて新豆の入荷を心待ちにする方も多い、こだわりの豆類
プロを志す若者から、毎日の食卓を大切にする地域の方々まで。食を愛する多様な人々が集う場として、同店は町田の街に深く根付いているのです。

店長の森野さん。自身もパン作りを手がけており、材料選びから丁寧に案内してくれる
店長の森野和佳子(もりの わかこ)さんは「店頭では、お探しの商品やレシピに関するご相談を伺いながら、お客様に料理やお菓子づくりを楽しんでいただけるようお手伝いしています。」と語ります。

晩酌に合うおつまみから、乾物、だし、木箱入りのそうめんといったギフトまで幅広いラインナップ
同店には、旅のひとときをより豊かに彩る品々も揃っています。例えば、多種多様なナッツや豆菓子は、ホテルでのくつろぎの時間に楽しむおつまみに最適です。また、木箱入りのそうめんなどは、日本ならではの美意識や趣を感じられる一品。海外からの旅行者が日本の思い出として持ち帰るお土産にもふさわしいでしょう。
地域の人々の日常を支えるとともに、訪れる旅人の探求心をも満たす多様なラインナップ。「富澤商店 町田本店」には、日々の食卓を少しだけ贅沢にする “おいしさの素” が詰まっています。
富澤商店 町田本店
電話:042-722-3175
住所:東京都町田市原町田4-4-6
アクセス:町田駅から徒歩5分
HP:https://tomiz.com/store/detail/17
SNS:https://www.instagram.com/tomizawa_shouten/
https://x.com/TomizawaShouten
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンクからご確認ください。