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2026.06.15

愛知県で古くから親しまれている「鬼まんじゅう」。サツマイモを小麦粉の生地で蒸し上げた素朴な菓子です。覚王山にある「梅花堂」は鬼まんじゅうの名店として知られ、昔ながらの味を守り続けています。
店主は創業家3代目の汲田光司(くみた みつじ)さん。「お客さんに、『久しぶりに食べたけど変わらない味だね』と言われることが一番うれしいです。」と話します。その一言が、店のこだわりを物語っています。

覚王山は、名古屋駅から地下鉄で約15分。日泰寺の山門を中心に、昔ながらの風情を残しつつ、新しい店も立ち並ぶ人気エリアです。
1929(昭和4)年創業の「梅花堂」は、覚王山の移り変わりを見守ってきた老舗の和菓子屋です。鬼まんじゅうという名前の由来は諸説ありますが、初代は「ゴツゴツとした見た目が鬼の頭のようだから。」だと、幼い光司さんによく話していたといいます。
「梅花堂」の鬼まんじゅうが広く知られるようになったのは40年ほど前、新聞に取り上げられてからのことです。当時はまだ見習いだった光司さんは、ひたすらサツマイモの皮を剥きながら、鬼まんじゅうの作り方を体で覚えていきました。

名物「鬼まんじゅう」は、サツマイモがたっぷり使われている
材料は、サツマイモ・小麦粉・砂糖、それにごく少量の塩と着色のみ。甘みの強いサツマイモを使うことがポイントで、四国と九州の決まった産地から仕入れています。1日に使うサツマイモはおよそ150kg。皮をむき、傷んだ部分を取り除くと、実際に使う部分は100kgほどになるといいます。
製造工程は、材料を合わせて練り、蒸し上げるというシンプルなものです。だからこそ、味を左右するのが練り加減。気温や天候によって、状態を見極めながら微妙に調整しています。長く親しまれてきた味を支えているのは、マニュアルでは表せない、職人の勘です。

歴史を感じさせない、磨き上げられた店内。夕方には商品がなくなることが多い

「鬼まんじゅう(5個入り)」の包み
「梅花堂」は、赤飯や季節の和菓子も人気です。それらの仕込みを早朝に終えると、昼過ぎまでひたすら鬼まんじゅうを蒸し上げ、1日に1,000個ほど作ります。
それだけの数を用意しても、早い日はお昼過ぎには売り切れてしまいます。そのため事前予約に対応しており、当日の予約も受け付けています。週末は2〜3日前の予約が安心です。

3代目店主 汲田光司さん
鬼まんじゅうは、家庭でもよく作られる愛知の郷土菓子です。「昔おばあちゃんに作ってもらった」という懐かしさとともに、「梅花堂」の店先を訪れる人は少なくありません。
覚王山の周辺には新しいカフェが立ち並び、若い人の姿が増えています。光司さん自身もその賑わいを楽しんでいますが、鬼まんじゅうの味は決して変えません。
光司さんの望みはただ一つ。「この味をずっと残していきたいです。」
その言葉どおりに、昔ながらの味が、これからも覚王山の街で受け継がれていきます。
梅花堂
電話:052-751-8025
住所:愛知県名古屋市千種区末盛通1-6-2
アクセス:覚王山駅 「1番出口」でてすぐ
*営業時間や定休日についての詳細は、直接店舗にご確認ください。