2024.06.15
名古屋駅の中心部から少し離れた、歴史と情緒が交差する四間道(しけみち)エリア。ここは、江戸時代から続く古い町並みが今も色濃く残る、観光客にも地元の人々にも人気のスポットです。この風情ある街角にひっそりと佇むのが、「コーヒーハウスかこ」。戦前の建物も多く残るこの四間道エリアの歴史と調和する「コーヒーハウスかこ」は、地元の人々にとっての憩いの場であり、観光客にとっては旅の途中でホッと一息つける隠れ家的存在です。
「コーヒーハウス かこ」は、1972年に創業した名古屋の喫茶店です。このお店は、コーヒーを愛するマスターが、友人の叔母から店舗を譲り受けたことから始まります。名古屋駅の東側、駅から徒歩圏内の気軽に立ち寄れる場所にひっそりと佇むこの店は、名古屋で初めて自家焙煎コーヒーを導入したことで知られています。開業当時、コーヒーの新鮮さと深い味わいを提供することを目指し、地元の人々の間で瞬く間に評判となりました。缶コーヒーがない時代、オフィス街に、注文の入ったコーヒーを出前で届けることも多かったと語るマスター。創業から50年以上が経過した今でも、そのこだわりは変わることなく、休日には行列ができるほどの人気を誇っています。
最大の特徴は、自家焙煎による上質なコーヒーです。創業以来、コーヒー豆の厳選から焙煎、そして抽出に至るまで、一切の妥協を許さず、常に最高の一杯を提供しています。生豆はオーナー自らが選び、焙煎時には欠点豆をハンドピックで一つ一つ取り除く徹底ぶり。
さらに、焙煎した豆は新鮮なうちに提供されるため、挽きたての香りと味わいを存分に楽しめます。店内のカウンター席では、マスターが丁寧にコーヒーを淹れる姿を見ることができ、訪れる人々に特別な時間を提供しています。
店内はステンドグラスやアンティーク家具が配されたノスタルジックな空間で、落ち着いた雰囲気が漂います。テーブル席とカウンター席があり、こじんまりとした空間でゆったりとした時間を過ごすことができます。朝のモーニングから、ランチ、カフェタイムまで、さまざまなシーンで訪れる人々を温かく迎えてくれます。
コーヒーと共に楽しめるトーストメニューも多彩です。特に人気の「シャンティールージュスペシャル」は、小倉あん、優しい味わいのホイップクリーム、4種類の自家製ジャムがのった贅沢なトーストです。キウイやオレンジ、いちご、ブルーベリーなどの色鮮やかな季節のコンフィチュールがトーストを彩り、さまざまな味の組み合わせを楽しむことができます。
自家製のコンフィチュールを作りはじめたきっかけは、開業当初に提供していた手絞りのオレンジジュース。「なんでもないものを美味しく」というマスターの想いから、手絞りのフレッシュジュースを提供していました。オレンジを絞った後に残ってしまうオレンジの皮をもったいないと感じ、オレンジのマーマレードが作れないかと試行錯誤が始まります。「1週間かけて毎日洗い、3時間かけて茹でこぼしを行うことで、苦味がとれ納得できる美味しいマーマーレードができるようになった。」と、マスターは嬉しそうに語ってくれました。
「コーヒーハウスかこ」のあるエリアは、戦前の家もまだ残る歴史ある街並みが広がっており、地域の人々のほっと一息つける場所として、世代を超えて多くの常連客に親しまれてきました。今では、かつて通っていたお客様の孫世代が訪れるほど、深い絆が築かれています。
店内では、カウンター越しに、お客さんとも自然と会話が生まれ、リラックスした温かい時間が流れています。現在では、地元のお客さんだけではなく、全国各地から「コーヒーハウスかこ」に訪れる観光客も後を絶ちません。
「コーヒーハウスかこ」は、名古屋の喫茶文化を牽引する歴史ある喫茶としてたくさんの人に愛されながら、地元の常連客にとっても観光客にとっても、ほっと一息つける暖かい場所を提供し続けてくれています。
店舗名:コーヒーハウスかこ
住所:〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅5丁目16−17
アクセス:名古屋駅から徒歩10分
instagram:https://www.instagram.com/kako_coffee_honten/
HP:https://kakomaster1972.wixsite.com/kako1972/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。