2024.02.20
名古屋駅から徒歩4分に位置するホテルリソル名古屋の2Fロビーには、JAZZをテーマとした空間が広がっています。厳選したレコードが並び、生の音を楽しむことができます。今回は同じ名古屋の中心街で音楽を愛し、質の良い音を守ってきたレコード専門店「SON OF THREE SOUNDS」を紹介します。43年という歴史を持ち、幅広い音楽に触れてきた店主だからこそ提案できる上質な音と、新しい音楽との出会いを、「SON OF THREE SOUNDS」を通してその魅力を深堀しました。
音があるのが当たり前の人生
若い頃からJAZZやROCK喫茶によく通っていたという店主の溝渕康夫さん。京都で生まれ、名古屋で育った名古屋人です。当時はJAZZやROCK喫茶が流行しており、名古屋にもたくさんのJAZZやROCK喫茶がありました。よく訪れた喫茶店のオーナーはとても個性的で、いろんなことを教えてくれました。そこで流れている音楽を聴いて新しい曲に出会う日々を過ごしました。70年代まで中古レコード店というものはなく、レコードを買うときは試聴することなくジャケットを見て買っていたので、思っていたイメージと違う音楽だったという失敗もたくさん。そこからたくさんのレコードを買うようになり、音楽にのめり込んでいきました。たくさんのレコードを聴いてきたからこそ耕された溝渕さんの幅広い音楽の知識は、圧巻です。気づけばレコードの裏に書いてある音楽レーベルやプロデューサーをメモすることもしばしば。ついには、レコードをみるとこんな雰囲気の曲ではないかというのが分かるまでになっていきました。
限りある時間の中で、レコード1枚1枚と丁寧に向き合う
「レコードの中に残る生の音楽」を守るため、1枚1枚丁寧に向き合っていると語る溝渕さん。一つ一つ丁寧に洗浄され、乾燥させて、実際にレコードを聴きながら針飛びがないかを確認しています。一人で店をやっているため、店頭に出すまでにとても時間がかかります。一日にできる量は限られてきますが、店主の音楽に対する妥協のない姿勢が、レコードを通して空間に産まれる音楽の深みに繋がっていきます。その甲斐もあって、今までに一度も針とびのクレームがないというので驚きです。
もう一つ、紹介しておきたい店主のこだわりは1978年以前のレコードを中心に品揃えをしている点です。1980年以降デジタル録音が始まったと言われています。そのため、1978年以前に発売されたレコードは音の奥行きや立体感が感じられ、より生の音に近い音を聴くことができます。
とても丁寧に扱われている質の高いレコードが、名古屋のSON OF THREE SOUNDSに並んでおり、マニアの方にはたまらない場所です。まだレコードにハマって間もない方でも、手頃な金額で購入できるレコードもあるのでぜひ一度訪れてみてほしい場所です。
名古屋という土地でホテルのコンシェルジュのような音楽の道案内人を担う
はじめてお店に来た人はこちらからあまり声をかけないようにしています。新しいレコードが入ってきたら、この曲はあのお客さんに聴いてほしいなと思いながら店頭に出す準備をしています。「お客さんに提案する音楽の次の展開を考えるのがとても楽しいです。」と語る店主。たくさんの音楽を聴いてきた溝渕さんだからこそ、その人その人にあった音楽の提案ができます。お店を訪れた際は、ぜひ店主の溝渕さんに話しかけて、新たな音楽に出会うきっかけを掴んでみてはいかがでしょうか。
店舗名:アナログレコード専門店 サンオブスリーサウンズ
電話番号:052-265-0280
住所:〒460-0008 名古屋市中区栄3-9-10 アスカヰビル2F
アクセス:地下鉄東山線栄駅より徒歩5分
公式HP:https://www.sonofthreesounds.com/
*営業時間や定休日についての詳細は上記のリンク先にてご確認ください。