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2025.08.20
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1300年ほど前から日本で使われてきたとされる風呂敷。たった1枚で物を包み、運び、守ることのできるこの布は、長く私たちの暮らしに寄り添い続けてきました。近年ではサステナブルで美しい日本の文化として、国内外から再び注目を集めています。
京都市中京区の三条通にある風呂敷専門店「むす美 京都店」は、山田繊維株式会社が手がける直営店。店内には壁一面を彩る色とりどりの風呂敷が並びます。
「 “ふろしき”は古くからあるけれど、古いものではないんです。」
そう語るのは、創業家出身で広報を務める山田悦子(やまだ えつこ)さん。「むす美」では古くから受け継がれてきた知恵を大切にしながら、現代に必要とされるデザインと使い方を提案しています。

水をかけても染み込みまない撥水加工が施された風呂敷
そんな「むす美」が展開する風呂敷は、現代の暮らしに合うデザインや機能を備えており、その数なんと500種類以上。小花柄や北欧を思わせるモチーフ、動物を描いた遊び心あるデザインなど、洗練されたものばかりです。
国内外のデザイナーやクリエイターとのコラボレーションによって、オリジナル製品を次々と生み出し、表と裏で異なる柄が楽しめる「ダブルフェイス」や「両⾯染め」、「撥⽔加⼯」などの新しい染⾊加⼯技術も取り入れています。

さまざまな形の風呂敷が飾られている店先
「むす美」を展開する山田繊維株式会社は、1937(昭和12)年に創業。現在は3代目社長のもと「“ふろしき”に立ち返る」という方針を掲げ、2005年に東京・原宿に初めての直営店「むす美 東京店」をオープンしました。
創業より法人向けの風呂敷メーカーを営んできた企業が、一般のお客様に向けてふろしき文化を広げる道のりは、試行錯誤の連続だったとのこと。それでも、お客様の声を1つずつ取り入れながら、徐々にブランドとしての世界観を確立していきました。
その象徴の1つが、風呂敷をあえて平仮名で“ふろしき”と表記していること。“先入観に縛られず、自由なイメージを持ってほしい”という願いが込められています。そうした歩みを積み重ね、2017年に満を持して本社のある京都に直営店をオープンしました。

結び方によって何通りにも形を変える風呂敷
それまでの知見を最大限活かした「むす美 京都店」では、立体でディスプレイされている風呂敷も多数。特定の空間全体を作品として魅せるインスタレーションを取り入れ、「使い方が一瞬でわかる」工夫が施されています。

創業者一族であり、広報担当として日々「むす美」の魅力を発信する山田悦子さん
「そのままにしていたら、“ふろしき”の文化は消えてしまう。」
山田さんの胸にあるのは、そんな強い危機感でした。「だからこそ、今の時代に合った伝え方で、1人でも多くの人に触れてもらいたいんです。」と、語ります。
かつて必需品だった風呂敷も、便利な道具の登場とともに日常から遠ざかり、「結ぶ」という動作を経験したことのない世代も少なくありません。文化を未来へ残すには、まず使い手を増やすことが必要。そのため「むす美」では、店頭でのワークショップをはじめ、学校や行政とも連携し体験の場を広げています。

店舗内で基本の結び方から学べるワークショップ
店頭では、具体的な場面に応じた活用術を学べる「通常コース(75分)」と、観光の合間に気軽に参加できる「体験コース(45分)」を開催。体験を通して生まれる小さな気づきや喜びが、風呂敷を身近な存在へと変えていきます。
「長く伝統として続いてきたのには理由があります。せっかく日本に生まれたからこそ、日本の知恵や美意識に触れることで、気持ちが豊かになると思うんです。」
山田さんの言葉からは、風呂敷文化を守りながら次世代へ橋渡しをしていきたいという強い思いが伝わってきます。

パラグライダーの生地を再利用して作られた風呂敷
「むす美」の歩みは、サステナブルの観点からも広がり続けています。転機となったのは2018年、フランスで開催された文化イベント「FUROSHIKI PARIS」。そこで投げかけられた「風呂敷⾃体はサステナブルで素晴らしいのに、⽣地はなぜポリエステルなのか?」という問いが、「むす美」に新たな視点をもたらしました。

「むす美」の商品で紙帯で巻いているものは、その裏面には使い方が記載されている
それからオーガニックコットンやリサイクル素材の採用、包装を紙帯に切り替えるなど環境への配慮を推進。贈り物を風呂敷で包む「捨てないラッピング」は、「ニューヨーク・タイムズ」にも紹介され、現在は約40カ国で販売し、海外との交流を通じて発展を続けています。

たった2種類の結び方で、何通りもの使い方ができる
「むす美」が届けているのは、風呂敷というただの“モノ”ではなく、“文化”そのもの。ブランド名の「むす美」は「結ぶ」と同じ語源に由来し、「“ふろしき”を通して人と人、暮らしと文化をつなぐ存在でありたい」という想いが込められています。
「“ふろしき”はただの布ではなく、自分の中に眠る知恵を呼び覚ましてくれるもの。」と山田さん。
用途に合わせた道具や便利なものが溢れる今だからこそ、風呂敷という1枚の布を手に取る時間は、形にとらわれず工夫しながら暮らすことの楽しさをそっと教えてくれます。
むす美 京都
電話:075-212-7222
住所:京都府京都市中京区桝屋町67
アクセス:京都市営地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から徒歩7分、阪急京都線「烏丸駅」から徒歩11分
HP:https://www.kyoto-musubi.com/
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