Reservation空室検索・予約
航空券付きプラン
提携法人専用予約
2024.03.31
NEIGHBORS
浅草や上野にも近く下町の雰囲気が残る街、入谷。駅から少し歩いて路地に入るとひと際目を引く重厚な門構え。この場所は、かつては大人から子供まで多くの人に愛された公衆浴場でした。
「快哉湯」が生まれたのは今から100年以上前の明治末期。
快哉とは、気持ちが良い事・痛快なこと・愉快だと思うこと。
その言葉にふさわしい、日常に溶け込む銭湯として地域のひとに親しまれてきました。
長年にわたって営業を続けてきた「快哉湯」ですが、2016(平成28)年、建物の老朽化や後継者がいないことなどから銭湯としての営業を終了。
しかし、”建物を残したい、この場所を壊したくない”と考えた銭湯のオーナーである屯所(トンショ)さんがNPO法人たいとう歴史都市研究会に一通の手紙を送ります。
NPO法人たいとう歴史都市研究会の会員であり、快哉湯の常連でもあった株式会社ヤマムラの中村さんは、屯所さんの思いに感化され、、自分たちの会社でリノベーションをしたいと申し出、「人々の記憶からリセットされてしまわないこと」をコンセプトに「快哉湯」の再生へと乗り出しました。
奥はかつての浴室、手前は右が女湯・左が男湯の脱衣所
リノベーションに向けて様々な案が出る中で、これまでのように生活に溶け込む場所を目指して、”オフィス”と”ラウンジ”の2つが合わさった複合施設として「快哉湯」は生まれ変わることになりました。
現在、「快哉湯」内ではカフェ「rébon快哉湯」にて軽食を楽しむことができます。株式会社ベステイトの代表であり、この「rébon快哉湯」の創業当時のオーナーでもある石橋さんは、「快哉湯」の関係者から、当時の歴史やリノベーションの経緯などを聞き、「快哉湯」内のラウンジスペースでカフェを運営することを決めました。
rébonは再生を意味する言葉。
銭湯「快哉湯」であった時のように日常の一部でありながら、過去の思い、過去の歴史を語り継ぎ、記憶をつなぐ場所でありたい。その思いが多くの人々との縁をつなぎ、2020年に、「快哉湯」内にカフェ「rébon快哉湯」がオープンしました。
ブルーベリーアイスと雲南珈琲のマリアージュプレート
看板メニューは、「コーヒーとアイスクリームのマリアージュプレート」他の場所にはない珍しいメニューが誕生した背景についてマネージャーの多田真理さんがこう話してくれました。「創業当時の話になりますが、火照った湯上りに食べたいアイスクリームと、バリスタが出すコーヒー。このふたつを掛け合わせて何かできないかと生まれたものが、このマリアージュプレートだったそうです。」
銭湯時代の入浴者心得が今も飾られている
「”記憶をつなぐカフェ″というコンセプトを大切にするため、カフェスタッフは研修の時に快哉湯の歴史やカフェの歴史を学びます。いつまで銭湯だったのか、なぜカフェになったのかなど、お客様に聞かれることが多くあるんです」と、多田さん。
スタッフはドリンクやフードを提供するだけではなく、快哉湯の歴史やレボン快哉湯が出来た経緯などをお客さんに語り継ぐ「語り部」のような役割を担っているといいます。
スタッフから話を聞いたお客さんが、別の人に話をする。今度は、その人がカフェを訪れて新たに思い出を作っていく。
「記憶をつなぐカフェ」は、そんな記憶のバトンタッチの舞台として、役割を果たしていきます。
廃業したカフェから受け継いだ焙煎機
思いや記憶をつなぐのは言葉だけではありません。銭湯の時代からある番台や、レトロなタイル、席を隔てる鏡張りの壁、廃業した喫茶店から受け継いだ焙煎機・・・
永い日々の中で場所やモノに宿った記憶も、しっかりと次につながっていきます。
なつかしさは、魅力になる。
大切な記憶が繋がる空間で過ごすひと時が、心を穏やかにしてくれる。
台東区入谷の街角には、そんな場所がありました。
レボン快哉湯
電話番号:03-5808-9044
住所:東京都台東区下谷2-17-11
アクセス:東京メトロ日比谷線入谷駅より徒歩2分程度
HP:https://www.rebon.jp/
SNS:https://www.instagram.com/rebon_kaisaiyu/
※営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。