2024.02.01
岐阜県は歴史ある地域です。戦国時代、織田信長が「岐阜」と名付け、天下統一の拠点としたことから、その名が全国的に知れ渡ることとなりました。信長が行ったことで有名な楽市・楽座は、長良川流域における物産交易の反映をもたらしたと言われています。その長良川流域の文化や生業を現代に受け継ぎ、後世にバトンを繋ぐ活動をするNPO法人ORGANを訪ねました。
長良川流域にはさまざまな文化と生業が今に引き継がれています。その中心には長良川の存在があることを、事務局長の熊田さんは教えてくれました。
郡上市の大日ケ岳から伊勢湾まで全長166キロメートル。現代のように車がない時代、完成した商品や材料を、長良川を使って、筏(いかだ)や船で運びました。美濃で作られた和紙は下流に運ばれ、岐阜提灯や岐阜和傘に加工されました。
現在、岐阜提灯・岐阜和傘は全国で使用され、トップシェアを誇ります。長良川の豊富で清らかな水があったから生まれた文化であり、良質な材料を揃えることができたのも長良川流域だったからだとされています。
伝統工芸の職人が自然の素材と向き合いながらひとつひとつ作り上げるものは、工業製品とは違った味わい深さがあります。それは暮らしを豊かにもしてくれます。しかし、時代とともに生活様式や産業の構造が変化していく中、“手間ひま”かけて作られる伝統工芸を継承していくことは容易ではありません。生業として成立しなければ、担い手は減少する一方です。
次の世代に誇れる、長良川流域文化の継続。その課題に対し、ORGANは岐阜市湊町で職人とお客様を繋ぐセレクトショップ「長良川デパート」「和傘CASA」を構えました。ここでは、長良川流域で育まれた文化を今様に仕立てた雑貨や食品などを購入することができます。そして、長良川流域文化の背景やストーリーについても発信することで、存続の重要性を伝えています。
長良川流域文化を次の世代に繋げていく。それは日本の文化を守ることにも繋がります。岐阜提灯は日本全国で盆提灯として使用されています。それが無くなると、日本の風景が変わってしまいます。また和傘職人が居なくなることは、歌舞伎から和傘が姿を消し、一部の演目不成立を意味します。次の世代に文化を繋げていく。それは日本の伝統芸能やお祭りを守ることにも繋がります。
“ORGAN”は有機的な繋がりorganic ,organisationを由来とします。
ORGANが作る場は、長良川を中心とした人の暮らしと生業が幾重にも交わることで生まれた商品と、そのストーリーに出会える場。今、若い世代でも広がるエシカル消費。丁寧に使いたくなる素敵なものがそこにありました。
ORGANでは2023年から「ぎふ長良川めぐるツアーズ」という体験ツアーの企画運営をはじめました。ホテルリソル岐阜でもフロントにてご紹介をしています。岐阜和傘の和紙を使ったカンバッジづくりなど、当日参加が可能なものから、長良川の川漁体験など、ディープなものまで。ホテルチェックイン後の15分〜1日、空いた時間を活用して、岐阜 長良川でしかできないことを体験しませんか?
長良川デパート(NPO法人ORGAN)
電話:058-269-3858
住所:〒500-8009 岐阜県岐阜市湊町45
アクセス:岐阜バス「長良橋」下車 徒歩2分
HP:https://nagaragawadepart.storeinfo.jp/
SNS:https://www.instagram.com/nagaragawa_depart/
※営業時間や定休日についての詳細は上記のリンク先にてご確認ください。