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2024.03.15

あなたにぴったりな刃物と出会う場

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あなたにぴったりな刃物と出会う場

刃物で有名な街、岐阜県関市。

日本三大刃物産地であると同時に、世界三大刃物産地としてドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェフィールドと肩を並べる存在です。

刃物のルーツは旧石器時代、石を打ち砕いて作られた打製石器とされ、獲物を捉え、皮を剥ぎ、肉を切るために使用されたことにあります。太古から刃物は人類の「食べる」行為と密接しています。しかし、刃物について学ぶ機会も少なく、自分に合う刃物の選び方やメンテナンスなど、聞かれたら答えられる人が少ないのが現実です。

そんな現代人の救世主とも言える施設がここ、岐阜県関市に存在します。行けば、自分にぴったりな刃物と出会うことができる場。岐阜関刃物会館を訪ねました。

あなたにぴったりの刃物とそのストーリーを提供

刃がついていない三徳包丁を自由に握り比べができる「握り体験コーナー」

刃がついていない三徳包丁を自由に握り比べができる「握り体験コーナー」

岐阜関刃物会館には、刃物に詳しいスタッフが在籍します。あらゆる刃物の中から、あなたが “よく調理するもの” “柄の握りやすい形” “10数g単位の重量感” から絞り込んでいき、ぴったりの刃物を提案してくれます。

館内には、包丁400点をメインに、様々な刃物が常時2000点も並びます。

ステンレス製がほとんどの関刃物。衛生的でメンテンナンスが容易とされ、誰でも使いやすいことが特徴です。一方、切れ味の持続性だけなら、ステンレスよりも鋼が優位とされています。理由は、材料が鋼の方が硬いからです。硬ければ、硬いほど、切れ味が続くとされています。故に、鋼は古来から使用されてきました。しかし鋼はすぐに錆びてしまい、素人には扱いにくい素材です。

錆びにくいステンレスと切れ味が続く鋼。そんな素材同士の良いとこ取りをするように、関刃物は芯材に鋼を使用し、ステンレスで挟み込むことで、衛生的かつ切れ味を長期間保つことを実現しています。この技術力こそ、刃物の全国生産額トップの地位を磐石なものとしています。

ルーツが日本刀である関の刃物文化。それは時代とともにカタチを変える

館内に展示販売されている日本刀

館内に展示販売されている日本刀

関では800年以上前の鎌倉時代から日本刀を作ってきました。良質な水や炭、焼刃土が採れる関市に刀祖が移り住んだことが関刃物の始まりとされています。

織田信長や徳川家康という名だたる名将にも、関の日本刀は献上されました。最盛期の室町時代には刀匠が300人も存在したとされ、日本刀流派が現代に継承されている唯一の地域です。後世にその技術を残していくため、日本刀作りを教える「日本刀鍛錬塾」を設立した渡辺兼永。その弟子の子孫が、現在でも残る10人の刀匠として、技術を受け継いでいます。

明治時代を迎え、廃刀令が発せられたことで、日本刀は作ることができなくなりした。関刃物も日本刀から包丁など生活用品に姿を変えていきます。その変化の過程でも、関の日本刀作りの伝統と技術は確実に息づいています。

世界に誇る関刃物をこの先も残していくために

岐阜関刃物会館の外観

岐阜関刃物会館の外観

現在、関刃物を取り巻く環境は急速にIT化・DX化が進んでいます。担い手の確保や伝統技術継承のため、一見、相反する自動化も積極的に取り入れています。

鉄粉まみれで働くのではなく、今の若い人が働きやすい環境づくりが未来に繋げる糸口と踏んでいます。また、ベンチャー企業との新たな鋼材開発など、先進的な取り組みも進んでいます。「何もしなかったら、廃れてしまいます。今後は人材の育成にも力を入れていきます。」と岐阜関刃物会館 専務理事の桜田さんは話してくれました。

何気なく切るだけの刃物を買うのではなく、自分にぴったりの刃物に出会える場。丁寧に使いたくなる刃物からは関の歴史が感じられました。


岐阜関刃物会館

電話:0575-22-4941

住所:〒 501-3874 岐阜県関市平和通4-12-6(せきてらす内)

アクセス:「岐阜駅・名鉄岐阜」下車 岐阜バス「関シティーターミナル」下車 徒歩15分

     長良川鉄道「せきてらす前」下車  徒歩1分

HP:http://seki-japan.com/

※営業時間や定休日についての詳細は上記のリンク先にてご確認ください。