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2024.06.03

1つの鍋から始まったおもてなしの心。「やよい」のちりめん山椒

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1つの鍋から始まったおもてなしの心。「やよい」のちりめん山椒

京都のちりめん山椒の老舗「やよい」は、多くの観光客で賑わう八坂神社・高台寺・清水寺の近く、東山にあります。“おじゃこ”の愛称で親しまれるちりめん山椒は他のどこでも味わえないやさしい味。おいしさはもちろん、おもてなしの心が「やよい」とお客様の心をつないでいます。

素材を大切にしたおいしさとおもてなしの心

「やよい」の創業者は料理人でした。いくつかの店舗で料理人として腕をふるった後、自宅からでもおいしいものは届けられると、1つの鍋からこつこつと炊き出したのが「やよい」のおじゃこの始まりです。「おいしいものは素材がすべて」を信念としたおじゃこの製法は、現在も受け継がれています。

ちりめんじゃこの選別・鍋での調理は、すべて人の手で行われています。「機械で大量生産すると味が変わってしまうんです。とにかくおいしいものをお客様に届けたくて。社長も工場で一緒に作業するのが日常の風景です。」と店長の井上さんは話します。

“京都の家庭料理”が広く贈り物として愛されるわけ

かつて1つの鍋から始まった京都の家庭料理であるおじゃこ。広く全国に親しまれるようになったのは、おじゃこのおいしさと、「やよい」の根底にあるおもてなしの心がお客様に届いているから。

店舗は、日本建築様式の1つ数寄屋造りで建てられています。こだわり抜いた木材を使用し、あたたかな雰囲気が漂う建物。内面を磨いてお客様をもてなす「やよい」の信念の表れです。

店内奥には広々とした休憩スペースがあります。「夏は冷たいお茶を、冬はあたたかいお茶をお客様に召し上がっていただいています。店内で過ごす時間が、ほっとできるひとときになれば嬉しいです。」

「やよい」のおじゃこは、人と人とのコミュニケーションで広がっていきました。たとえば、花街の女将さんたちの「おいしい」の声。手土産やお中元、お歳暮として使われるうちに「やよい」のファンが増えていったのです。

「今もおじゃこが愛されているのは、大量生産ではなく、とにかくおいしいものをつくることにこだわったからこそ。」井上さんの言葉はシンプルでした。「やよい」では常連のお客様だけでなく、初めておじゃこに触れるお客様へのおもてなしの心も大切にしています。

「試食はおいしいけれど、家で食べ切れるかな」「普段あまりお米を食べない」観光で訪れたお客様の会話に耳を傾けると聞こえてくる声。そうしたお悩みに応えるため、HPや店頭でおじゃこレシピの提案をしています。スタッフが実際に楽しんでいる“おじゃこアレンジ”をシェアしているのだそう。

人気のメニューはおじゃこトーストやおじゃこパスタです。「普段、あまりおじゃこを食べない方にも楽しんでいただく機会になればいいなと思っています。やさしい味付けの当店のおじゃこは、どんなお料理にも合うんですよ。」と井上さん。

北欧モダンと和の調和。やよいのカフェで楽しむお茶漬け膳

店内を奥に進むと鰻の寝床のような廊下の先に、土日祝日のみ営業のカフェが併設されています。「やよい」の和の雰囲気と調和した北欧モダンなカフェ店内は、静かに旅の疲れを癒してくれます。

こちらのカフェでは、おじゃこのお茶漬け膳を楽しめます。

にぎやかな通りからは想像もつかない静かな空間。ほっと一息ついて、安らぎや心地よさを感じてほしいと井上さんは話します。店頭でおじゃこを買ったお客様がカフェを利用するだけでなく、カフェで初めておじゃこを食べたお客様が、店頭の商品をリピートすることも多いのだとか。

「やよい」のおじゃこが愛され続ける理由は、厳選された素材と創業から変わらぬおもてなしの心でした。やさしい味付けだけでなく、お店に漂うあたたかな空間が訪れる人々の心をほぐしてくれます。


ちりめん山椒 やよい

電話:075-561-8413

住所:京都市東山区祇園下河原清井町481

アクセス:京都駅より市バス206「祇園」下車より徒歩5分。京都河原町駅より徒歩14分。

HP:https://www.yayoi-ojako.co.jp/

SNS:https://www.instagram.com/yayoi_ojako/

*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。