2024.10.31
NEIGHBORS
カカオ豆を原料とした、世界中で愛されつづけているお菓子「チョコレート」。普段のおやつ時間のおともに、頑張った自分へのご褒美や大切な方への贈りものにも。私たちの日常からイベントシーズンまでさまざまなシーンを彩っています。
フランスをはじめとするヨーロッパでは、品があり芸術性に富んだものは「ショコラ」と呼ばれ、香りの高さと目にも美しく宝石のようにきらきらと輝くさまは、眺めているだけで癒されてしまうほど。
札幌発のショコラ専門店「ショコラティエ マサール」は、そんなヨーロッパのショコラに魅了された創業者の“感動を伝えたい”との強い願いから1988(昭和63)年に創業されたお店。サロン(イートインスペース)が併設された本店を訪ね、その魅力を深く伺いました。
創業者である古谷勝(ふるや・まさる)氏は、かつて「フルヤのウインターキヤラメル」で広く道民にも親しまれた札幌発の菓子メーカー「古谷製菓」の末っ子として生まれ育ったのだとか。
チョコレートやキャラメルなどの甘いお菓子に目がなく“甘いものは人をしあわせにする”という心の持ち主だった古谷氏。社会人になり、外資系企業への就職を経験後、一度は「古谷製菓」に勤めたものの、“自分で何かできないか”との想いは募っていきました。
そんな中1番に熱を注ぎたいほどのめりこむことになったのが、ヨーロッパ渡航の際に出会い、それまで経験したことのないおいしさに心を強く動かされた“ショコラ”でした。
札幌のまちはヨーロッパと気候も似ており、新鮮な乳製品が手に入る環境だったことで「北海道の素材で最高のショコラを作ろう。」と一念発起。“ショコラティエ”という言葉が日本では馴染みのなかった創業時から現在にかけて、“感動の輪”は着実に広がっています。
「理念として掲げている目標の一つは、“ショコラを通じて世の中に感動を提供する”こと。その言葉を胸に作り手がお菓子を作り、販売スタッフが店舗に立ち、パッケージングをして、私たちがPRをしています。」
そう話すのは、ブランドの魅力を発信するために日々尽力する、常務取締役の古谷穉加子(ふるや・ちかこ)さんと、販売促進部・主任の佐藤由貴(さとう・ゆき)さん。各部門のスタッフとの意識合わせをどのように工夫されているのか尋ねると「毎日の朝礼で唱和するんですよ。」と、佐藤さん。
商品の先にいるお客さまに想いが伝わるように、目標を掲げるだけではなく、確かめ合うことでそれぞれの心に刻んでいく。そんな地道な工夫を重ねていることを知り、こちらも胸が温かくなります。
各部門に分かれて働いているスタッフに共通するのは、お菓子が好きで集まっていること、そして「ショコラティエ マサール」の商品に対して自信をもって仕事に取り組んでいる方が多いことだそう。
「事務所でもよく商品の話をしています。製造スタッフから“試食してほしい”と声がかかることや、店舗スタッフは毎日商品を近くで見ているのでさまざまな変化にすぐ気がついて違和感を伝えてくれることもよくあるんですよ。」
意見を率直に伝え合えるのは、“よりよいものを届けたい”という想いが根底にあるからこそ。よい意味で厳しく妥協しない姿勢には、お客さまに真摯に向き合いたいという意志の強さが感じられます。
お客さまとの接点を大切にする「ショコラティエ マサール」ですが、素材や製造過程にも妥協はありません。1番大切なショコラはもちろん、新鮮な北海道産の乳製品を使うなど、創業以来変わらず厳選された素材だけを使い、一粒一粒を丁寧に職人の手で作っています。
また、「独自のものを作りたい」と、約3年の年月をかけて2種類のオリジナルショコラを開発。フランスの高級ショコラブランド・ヴァローナ社の協力を得て、世界中の良質なカカオを育てる農園のカカオのみを使った特別なショコラが生み出されました。
現在、多くの商品にこのオリジナルショコラが使用されていますが、中でも“カリッサクッ”とした食感がたまらない「ショコラブラウニー」は、ブランドを代表する商品になっているといいます。
「もともとお店で販売するブラウニーを作っている時に、多くの切れ端が出てしまっていて。“もったいないので焼いてみよう”というところから、チョコレートをコーティングした時においしかったのがはじまりです。」と、誕生の経緯を教えてくれた古谷さん。
一口サイズの手軽さや、カカオポッド(楕円形をしたカカオの果実)に見立てた愛らしい柄も相まって、支持されるように。二度焼きならではの食感と美しいデザインに、惚れぼれしてしまいます。
札幌市内にいくつか店舗を構える「ショコラティエ マサール」。本店ならではの特徴の一つサロンでは、ケーキやパフェ、ドリンクを味わいながら思い思いに羽を伸ばしゆったりと過ごすことができます。
創業30周年を記念して作られたサロン限定パフェ「Aller de I’avant(アレドゥラヴァン)〜もっと先へ〜」は、「サロンで過ごすなら、まずはこれを食べてほしい。」と、2人が胸を張る一品です。
フルーツを使わず、グラスの上から下までショコラを使用した素材がぎっしりと敷き詰められたパフェは、一層ずつ変化する味わいと食感が楽しめるのが魅力。濃厚でありながらカカオがしっかりと感じられ、それでいてくどくなくペロリと食べることができるのだとか。
コーヒーや紅茶とのペアリングも楽しみつつショコラティエならではの味を堪能すれば、職人の細やかで丁寧な仕事を感じることができるでしょう。
「はじめてお客さんとして購入した時に“お菓子でもこんなにおしゃれができるんだ”とわくわくした感覚があって。入社した今でも商品を自信をもっておすすめできていることがうれしいです。」
「一個一個の商品からスタッフみんなの想いが伝わってくるのを感じるんですね。その想いが買いに来てくださる方をしあわせにし、それによって作り手もしあわせになっていく。そういうところがすごく好きですね。」
ブランドについて誇りに思うことをそれぞれ語ってくれた佐藤さんと古谷さん。お客さまを想い、それぞれの役割を全うすることが心動かす体験へとつながっていく。製造から販売、そしてお客さまへ。「ショコラティエ マサール」は、この先も温かな想いが織りなす感動としあわせのバトンを繋いでいきます。
ショコラティエ マサール(本店)
住所:北海道札幌市中央区南11条西18丁目1−30
電話番号:011-551-7001/0120-039-245
アクセス:札幌市電「西線11条駅」より徒歩10分/地下鉄東西線「西18丁目駅」より徒歩20分程度
HP:https://www.masale.jp/
SNS:https://www.instagram.com/chocolatiermasale/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。