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2024.11.30
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「ホテルリソルトリニティ札幌」より徒歩5分、百貨店やファッションビルが立ち並ぶ札幌の中心エリア・大通を歩くと、ガラス張りの建物に時折風になびく「CENTRAL」の鮮やかな青い旗が目にとまります。
「大丸藤井セントラル」は、初心者から専門家まで、ビジネスからプライベートまで、そしてこどもからご年配のお客さままで、幅広いニーズにこたえることを目指す130年以上の歩みを重ねてきた老舗文房具専門店。
店内には文房具はもちろん、手帳や革製品、画材、雑貨など、ビルの1階から4階にはおよそ20万点のアイテムがそろい、“セントラルへ行けばきっと見つかる”“一つからでも買える”をコンセプトに、安心感とわくわく感あふれた売場で訪れる人を出迎えています。
「大丸藤井」のはじまりは、1892(明治25)年に滋賀の商家に生まれた藤井専蔵(ふじい・せんぞう)氏が若くして単身札幌へ渡り、油の行商を営むこととなった頃にまでさかのぼります。自らの足で売り歩くことで商人の力を大いに発揮し、着実に道内に商圏を広げました。
ほどなくして紙の販売にも着手。ものが潤沢にはなかった当時の生活の中で、求められる切実な声にこたえるようにして文具や雑貨・石鹸などの日用品まで扱うように。1906(明治39)年には独立店舗として現在の場所へ移り、札幌で力のある紙類卸商として成長します。
その後、ギャラリーを設けた文房具店へと生まれ変わり、1989(平成元)年には今の形で「大丸藤井セントラルビル」がオープン。「セントラル」の愛称で親しまれ、一般のお客さまとの接点をもつ大切な窓口としての役割を果たしてきました。
「『大丸藤井セントラル』を含む南1条西1丁目から3丁目辺りの地域を“一番街商店街”といって、札幌の中で1番先に栄えたところなんですね。今も“商店街”としてビルを維持しながら商売を続けているのは、全国的にみてもめずらしいようです。」
そう教えてくれたのは、親会社である大丸株式会社で卸業を長く経験し、7年ほど前に店舗に携わることとなった専務取締役店長の岡田 敏彦(おかだ・としひこ)さん。
新製品や話題の商品に常に目を向け、イベントの開催も積極的に行っている「大丸藤井セントラル」。とくに季節商品は、アイテム数やボリュームなどを意識して楽しんでいただけるようにしているのだそう。
「新しいものは常に増えていくので、経営的な立場から見ると商品を差し替えていかなければならないんですが、たとえばペン一つとっても慣れ親しんだ書き味を求めるお客さまもいらっしゃるので、そのバランスを見極めていますね。」と、幅広いニーズにこたえるお店だからこその工夫を教えてくれました。
そんな「大丸藤井セントラル」の2階「文具のフロア」へ向かうと、文房具や事務用品、革小物や雑貨がそろう売場が広がります。数ある商品の中でもひときわ目を惹くのが、ショーケースに並ぶ艶やかさすら感じさせてくれる佇まいの「万年筆」。
岡田さんが学生の頃は新入学の贈りものとして選ばれることも多く、文房具店に万年筆とインクのセットが並ぶ時代も長かったそう。「時代の移り変わりとともに専門性の高さが増し、改めてそのよさが見直されるようになったのでは。」と、岡田さんはいいます。
“止め、はね、払い”など指先への力のかけ具合でインクの濃淡が変わり、文字に書く人ならではの味わいが表れる万年筆は、使用できるインクの種類が豊富なこと、そして同じインクでも紙との相性次第で文字の表情が変わるところが最大の魅力。
万年筆を選ぶ際に大切にするとよい点を伺うと「繊細な神経が集まる“手のひら”で扱う道具なので、やはり手になじむ大きさ・重さのものが最も重要だと思います。」と、岡田さん。
売場には“万年筆案内人”と呼ばれる高度な知識をもつプロのスタッフが在籍し、その方を目がけて訪れるお客さまもいるとのこと。選ぶ際の不安や疑問に寄り添い、真摯な対応を心がけた接客は、“来店時の期待以上に、帰る時の満足を提供できるお店でありたい”と願う「大丸藤井セントラル」が大切にする取り組みの一つです。
専門スタッフに尋ねながら、いくつも書き味を確かめてフィットするものを選びぬく。常に目に入る手元にお気に入りのものが加われば、きっと心も躍ることでしょう。
お気に入りの万年筆を迎え入れる際に欠かせないのが「インク」選び。近年、文房具店がオリジナルで製作した万年筆やインクはどこにいても購入できる時代になり、これまで以上に支持されるようになりました。
そうした時代の変化をいち早くとらえ、15年以上前からオリジナルの万年筆やインクの販売を行ってきた「大丸藤井セントラル」。
より地域に根ざした商品開発を目指し、2019年には札幌の夜景をモチーフにした万年筆とそれに合わせたオリジナルインクを企画。札幌市が“札幌のまちを色彩から考えるきっかけになれば”と選定した「札幌の景観色70色」から厳選した色を発売したところ、好評を得ました。
スタッフ自らテーマとなる場所へ足を運び、販促物のための取材や撮影も行っているそうで、“万年筆を通して札幌に存在する素晴らしいモチーフをより身近に感じてほしい”との想いが商品からも伝わります。
何気ない日々を書き記す日記やメモから、手紙など大切な方への想いを文字にのせたい時にも活躍する万年筆。その地ならではの景色が映るものを持ち帰れば、使うたびに旅先で出会った風景が思い起こされ、“自分の手で書く”時間がより豊かで深みのあるものとなりそうです。
万年筆やインクをはじめ、風景や動物のカレンダー、絵葉書、「ぺんてる」とのコラボレーションで生まれた「エナージェルペン」、ラベンダーやハマナスの香りのお線香、石鹸など、北海道や札幌らしさが感じられる商品との出会いも多い「大丸藤井セントラル」。
「毎年春先に『文房具メーカー見本市』を開催し、お客さまとメーカーが直接触れ合う機会も設けています。豊富な商品展開と、そういった普段なかなか経験できない場を通じて“文房具の文化の発信地”として地域や業界全体を盛り上げる存在でありたいです。」と、最後に語ってくれた岡田さん。
長年愛されてきた文房具から、最新のものまでメーカーのこだわりとともに奥深い魅力を味わえる老舗「大丸藤井セントラル」。旅の途中でふらりと立ち寄れば、この地ならではのものや心ときめくお気に入りのものと出会えるはずです。
大丸藤井セントラル
住所:北海道札幌市中央区南1条西3丁目2
電話番号:011-231-1131
アクセス:地下鉄南北線・東西線・東豊線「大通駅」より徒歩2分程度
HP:https://www.daimarufujii-central.com/
SNS:https://www.instagram.com/daimarufujiicentral/
https://twitter.com/daimarucentral
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。