空室検索・予約

Reservation

予約確認・変更・取消はこちら

法人提携のお客様はこちら

2024.02.02

くつろげる空間で“気軽に自由に”アートを愉しむ

NEIGHBORS

くつろげる空間で“気軽に自由に”アートを愉しむ

札幌の中心部にありながら、季節ごとの豊かな景観が味わえることでも知られる「中島公園」エリア。アートや音楽、歴史に触れられるスポットも点在するこの公園周辺は、地元の方から観光で訪れる方まで幅広く親しまれています。

そんなエリアで街に溶け込むように佇むお店が、2008(平成20)年にオープンした「TO OV cafe / gallery(ト・オン・カフェ/ギャラリー)」です。ギリシャ語で“存在すること”を意味する「TO OV」。ギャラリー併設のカフェに込められた想いや空間の魅力について迫るべく、代表の中村 一典(なかむら・かずのり)さんに話をお聞きしました。

自分の空間を創ることへの憧れ

「昔から音楽やアートに関心がありましたが、以前仕事をしていた札幌市民ギャラリーでの経験を通して『自分で企画や展示ができる空間を創りたい』という想いがより強くなりました。」と、お店のオープンにいたる経緯について教えてくれた中村さん。

店内は手前がカフェスペース、奥がギャラリースペースと二手に分かれており、ほどよい明かりや流れるピアノの音がやさしく包み込んでくれるような空間。中村さん自身が手を加えたという壁には、手づくりならではのやわらかく温かい雰囲気が感じられます。

「曖昧な世界」を思いのままに感じる

およそ2週間に一度のペースで展示作品が入れ替わるギャラリースペースは、訪れるたびに作品との出会いがあるのも魅力の一つ。絵画や写真、彫刻、工芸など幅広いジャンルの作品が展示されており、北海道にゆかりのある若い作家たちの“発表の場”にもなっています。

「見えているようで見えていない、答えがあるようでない、みんながはっきりと言葉で説明ができない曖昧な世界がありますよね。そういう曖昧なものを、その人のフィルターを通したアート作品として触れることで、自分について掘り下げて考えてみたり、時に深く考えず直感的に受け取ったり。さまざまな捉え方ができるのがアートのおもしろさだと思います。」と、中村さん。丁寧に語られる言葉の一つひとつが、じんわりと胸に響くのを感じます。

家でくつろぐように、アートに触れる

ギャラリー併設のカフェとして中村さんが目指すのは、“アートと人との距離を近づけること”。作品がより日常の風景に溶け込んだものとなるように、実際に家に飾った時の印象に近い空間づくりを心がけているのだそう。

本や雑誌をパラパラとめくり、コーヒーや紅茶を飲む。それぞれの好きなタイミングで作品を眺め、興味の湧いた作品に繰りかえし触れる。家でくつろぐような感覚でアート作品を愉しむことができるのも、自由に行き来することが叶う空間だからこその味わい方です。

アート空間を引き立てる、カフェメニュー

そんなふうにゆったりと過ごせる空間を引き立ててくれるのがカフェメニューです。写真は、お店のコンセプトを体現するメニューとして愛されている「セザンヌセット」。

りんごの絵を数多く描いてきたことでも有名なフランスの画家「ポール・セザンヌ」からインスピレーションを得たメニューは、サクサクのアップルパイの上にバニラアイスや果実などが乗せられたデザートと、お好みのドリンクを合わせたセットです。

三角の山のような形は、セザンヌが描いた「サント・ヴィクトワール山」がモチーフ。器に重ねられた愛らしい姿に、なんとも胸が高鳴ります。

「TO OV cafe」のコーヒーは、ネルフィルターを使うことで雑味の少ないまろやかな味わいを実現。なかでもストレートコーヒーの豆は無くなり次第新しいものに変わるため、その時にしか出会えない特別感があります。豆そのもののもつ味わいや香りを引き出すことのできる、浅煎り豆が入荷することが多いのだとか。

カウンターの一番端の席は、ちょうど作品と目が合う特等席。デザートやドリンクでお腹を満たしつつぼんやりと作品を眺める時間が、より心を豊かなものにしてくれそうです。

「特別」のハードルを超え「当たり前」へ

これまで展示を通してさまざまな作品と人とが出会い、作品づくりをする方同士の交流も生まれてきた「TO OV cafe / gallery」。

ギャラリーを創ることへの強い想いでこの場所をはじめた中村さんにとって嬉しいのは「作品を熱心に愉しむ姿が見られることはもちろん、作家と話をすること、作品を自宅に飾ることなど、それぞれが感じているハードルを超えていく姿が見られること。」だといいます。

「展示を通して『作品と自分との間に何が見え、心にどんな反応が起きるのか』をぜひ感じていただけたら嬉しいです。」と、最後に語ってくれた中村さん。

アートを特別なこととして捉えるのではなく、日々の暮らしに当たり前に存在するものとしてそれぞれが自由に愉しむ。心のおもむくままに作品と向き合えば、旅先だからこそ感じられるはじめての気持ちに出会えるかもしれません。


店舗名:TO OV cafe/ gallery(ト・オン・カフェ/ギャラリー)
電話番号:011-299-6380
住所:北海道札幌市中央区南9条西3丁目2-1  マジソンハイツ 1F
アクセス:地下鉄「中島公園」駅より徒歩2分程度

HP:https://toovcafegallery.shopinfo.jp/
SNS:https://www.instagram.com/toov_cafe_gallery/?hl=ja

*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。