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2024.04.30

何度も訪れたくなる“まちの本屋”。物語にひそむ想いをワクワクとともに届ける「ヒシガタ文庫」

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何度も訪れたくなる“まちの本屋”。物語にひそむ想いをワクワクとともに届ける「ヒシガタ文庫」

「本屋」と聞くと、どのようなことを思い浮かべるでしょうか。知識を深めたり、想像する力を育んだり、時には生きる力をくれたり。そんな豊かさをもたらしてくれる本が、“棚にぎっしりとならぶ場所”とイメージする方も多いかもしれません。

札幌・東区エリアには、そんな従来のイメージとはひと味違った形で“物語との出会い”を届ける「まちの本屋」があります。それが、老舗書店「ダイヤ書房」の一角で2015年に生まれた「ヒシガタ文庫」です。

 

立ち上げ時にダイヤ書房の社員となり、店長として日々多くの物語とお客さまを繋いでいる谷尾 苑香(たにお・そのか)さんに、お店の魅力を尋ねました。

もとは札幌市内でイベントの企画・運営を行う仕事に携わり、マルシェイベントなども開催していたという谷尾さん。「“お客さまにとって目新しいもの”や“想いの込められたもの”をもっと届けていきたい。そう思っていた時に知人を介してお声がけいただき、“ぜひ”とお答えしたのがはじまりです」と、プロジェクトに加わった当時を振り返ります。

 

“まちの本屋”としての役割を再定義

時代の移ろいとともに、今もなお大きな試練を受けている出版業界。まちに根づく書店への客足が遠のくなか、「ダイヤ書房」は“まちの本屋”としてこの先のあるべき姿を模索していたのだそうです。

「まずはこの空間に足を運んでもらえるように」とプロジェクトメンバーで話し合いを重ね、少しずつ「物語との出会いをつくる本屋」というコンセプトが揺るぎないものに。

「来るだけでも楽しさやワクワクを感じてもらえる場にしたい」そんな想いを体現する場として書店の一角に設けたのが、「本」という枠を超えた価値を届ける「ヒシガタ文庫」でした。

 

“風土感じる物語”に彩られた空間

ひし形をあらわすように区切られた棚には、ダイヤ書房で置いているものとは趣向の異なる本とともに、道内外から集まった雑貨や文房具、器、食品など、暮らしを彩るものたちがずらり。作り手の想いやその土地の情景が浮かぶような商品の数々に、眺めているだけでも胸がおどります。

商品ができるまでの過程や背景に、“お店として伝えたい”と感じられるものがあることが大前提。インターネットを通して目にする機会は多くても、実際に手にとることが難しいものも気にかけて置くようにしているそうで、こだわりをもって選定されていることがうかがえます。

 

地元の方はもちろん、旅の途中で訪れる方など、日常づかいができるものや大切な方への贈りものを求めて、多くの方が足を運ぶ「ヒシガタ文庫」。

物語との出会いは、本や雑貨の販売にとどまりません。月に1・2回の頻度で開催される作家によるポップアップイベントを中心に、トークイベント、工作や「コーヒー教室」と題したワークショップなど、届ける形もさまざま。「来るたびに発見がある」空間が、人々を惹きつける理由の一つになっています。

 

魅力を伝えるスタッフの工夫

時間を忘れて見入ってしまう商品には、スタッフの手書きによる「おすすめポイント」が添えられているものも。

「決めごとではないんですが、みんなやっぱり雑貨や文房具が好きなのと、それぞれがセレクトしているものだと思い入れもあるので、自然な流れでPOPを作って自分の言葉で伝えるようになりました」と、笑みをこぼす谷尾さん。

お客さまの暮らしに寄り添った温かいメッセージに、ほっこりとした気持ちにさせられます。

 

「喫茶ひしがた」でホッと一息 

魅力いっぱいの物語に触れてひと休みをしたくなったら、別の一角にある「喫茶ひしがた」でゆったりと時間を過ごすことができます。ホットドッグやトーストなどの軽食に、ブレンドコーヒー、自家製レモネードやチャイなど、ひと息つくのにぴったりなメニューがそろう喫茶。

なかでも、ひときわ目をひく「読書のための緑茶」は、静岡県の老舗茶問屋「鈴和商店」にブレンドを依頼した、オリジナルのもの。「読書に没頭して冷めてしまっても、おいしく飲めるように」と、まろやかでほんのり甘みがあり、渋みが出にくい味わいに仕上がっています。

 

また、「喫茶ひしがた」では、40年の月日を超えて札幌市民に愛される名店「藤月(とうげつ)」のソフトクリームを味わうことができるのも魅力です。一度は歴史に幕を閉じた「藤月」でしたが、のちに再開する運びとなったタイミングで喫茶でも提供できることに。

お店のあるエリアは社長の山田氏の地元ということもあり、子どもの頃から好きでよく食べていたのだそう。「藤月さんも、ダイヤ書房も長くお店を運営していて、古くから地元の方に親しんでいただいている点が共通していたこと、そしてお店の方向性に共感してくださったことで実現したんです」と、谷尾さんは教えてくれました。

 

時間を忘れてのんびりと過ごせる空間へ

「ものを手にとっていただくのももちろん嬉しいんですが、企画したリアルなイベントに多くの方が集まってくださったり、楽しまれている様子を見られることがすごく嬉しいですね」

「本と雑貨、喫茶があって、時間を忘れて一日中過ごせる空間だと思います。木彫り熊やアイヌにまつわるものなど、北海道を感じられるものも置いているので、ぜひ楽しんでいただきたいです」と、日々感じていることや、これから訪れる方への言葉を丁寧に紡いでくれた谷尾さん。

心くすぐる出会いと発見にあふれた「ヒシガタ文庫」。気がねなく物語に没頭できる心地よい空間には、何度でも訪れたくなる理由がありました。

 

ヒシガタ文庫(ダイヤ書房内)
電話番号:011-712-2541
住所:北海道札幌市東区北25条東8丁目2-1
アクセス:地下鉄「元町駅」より徒歩13分程度
HP:https://hishigatabunko.com/
SNS:https://www.instagram.com/hishigatabunko/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。