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2024.05.31

和泉蜻蛉玉を次の1000年へと繋ぐ「山月工房」

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和泉蜻蛉玉を次の1000年へと繋ぐ「山月工房」

大阪にて1000年以上の歴史を持つ「和泉蜻蛉玉(いずみとんぼだま)」。色彩豊かで繊細な模様が施されたガラス玉には、手に取った人を魅了する美しさがあります。古くから続く歴史的価値が認められ、2002年には大阪府指定伝統工芸品として登録されました。

現在、和泉蜻蛉玉は伝統工芸士である、松田有利子(まつだゆりこ)さんによってのみ作られています。松田さんが伝統を繋ぐ「和泉蜻蛉玉専門店 山月工房」を訪ねました。

 

和泉蜻蛉玉とは

和泉蜻蛉玉とは、和泉国(現在の泉州地域)でのみ製作されてきたとんぼ玉の技術、技法、材料を正当に継承して製作されたガラス玉を指します。現在の和泉市で作られたというだけでは和泉蜻蛉玉として認められません。

「通常のとんぼ玉は、1本のガラス棒をガスバーナーで溶かして作りますが、和泉蜻蛉玉は数本のガラス棒を束にして、代々使用している専用のバーナーで熱して作ります。」

 

偉大な師であり、父である先代と歩んだ道のり

山月工房には、先代亡き後、今は二人の伝統工芸士がいます。先代は有利子さんの父、小溝 時春(こみぞ ときはる)さんです。幼少期から工場に足を運ぶうちに、自然と職人の道を志すようになったそう。

しかし、昭和52年ごろ和泉蜻蛉玉の文化は消えゆこうとしていました。古くはガラス産業で栄えていた和泉国ですが、安価な海外製品の流入が原因でガラス職人が激減。平成に入り、気づけば専業のガラス玉職人は小溝時春さんただ一人となってしまったそうです。

和泉蜻蛉玉の歴史や技術を絶やさないために歴史保全活動を始めた二人ですが、その道は決して平坦ではありませんでした。

「歴史を文献から遡ったり、古くに作られたガラス玉の現物を探し出したりし、和泉蜻蛉玉の技術が私達まで引き継がれていることを証明するのに約10年かかりました。」と話す松田さん。長い道のりを経て、大阪府指定伝統工芸品として認定されたのです。

 

国宝復元に携わり、更なる技術の追求が始まる

山月工房は、そのガラス玉制作の技術力から、平等院鳳凰堂内の瓔珞(ようらく)という荘厳具の復元を任されたことがあります。

多種多様な色・大きさをしたガラス玉で構成された瓔珞を復元することは簡単ではありません。当時の苦労について、松田さんはこう振り返ります。

「当時のガラス玉の色彩や形を再現するのが本当に難しかったです。1000年前の技術で作られた物なので、歪な形のガラス玉がたくさんありました。商品製作とは違い、あえて左右非対称のガラス玉を作るのは苦労しましたね。」

1000年前に生きていた人々の想い、夢にまで見た極楽浄土を表現した鳳凰堂のガラス玉。その輝きを復元したことをきっかけに、山月工房は新たな挑戦を始めました。それが、ガラス素材の開発と復元です。

「国宝復元に使用したガラス素材は泉州地域で古くに作られたもので、新たに入手できないんです。ガラス素材は地域によって特徴があり、組成が違うとうまく溶け合わず割れてしまいます。当時の人々 も想いを途絶えさせないために、ガラス素材の開発・復刻プロジェクトを立ち上げました。」

そうして完成したガラス素材の名は「千の時」。1000年前のガラスを再現していること、そして松田さんのご両親の名前(千佐さん・時春さん)から一字ずつとって名付けられました。

 

和泉蜻蛉玉を次の1000年に繋ぐために

1000年前から引き継がれてきた和泉蜻蛉玉の技術を、次世代に残していくためにはどうしたらいいのか。ガラス素材の復刻や技術の継承はもちろんのこと、現代の人に受け入れられ続けることが必要だと松田さんは話します。

「和泉蜻蛉玉を残していくためには、現代に生きる人にも『良い』と思ってもらえないといけません。伝統的な技術はそのままに、時代に合わせた用途やニーズを満たす商品を作りたいですね。三代目を目指して修行中の娘にも、同じことを意識してほしいです。」

店頭で人気があるのは、「七色のお守り」と「お香たて」だそう。昔の根付けをキーホルダーとして持ち運びやすくしたお守りや、アロマ代わりにお香を炊くときに使用するお香たては、伝統工芸品と私たちの距離を縮めるアイテムです 。

七色のお守り

お香たて

大阪へ訪れた際には、和泉蜻蛉玉を手にとってみてください。山月工房は、1000年の時を経て繋がれてきた和泉蜻蛉玉を、さらに次の1000年へと繋げるために挑戦を続けます。

*和泉蜻蛉玉は山月工房の登録商標です。

 

和泉蜻蛉玉専門店 山月工房 堺高島屋店
電話:072-224-2670
​​住所:堺市堺区三国ヶ丘御幸通59 堺タカシマヤ5階専門店街
アクセス:南海高野線準急 堺東(さかいひがしえき)駅すぐ
HP:https://izumi-tombodama.com/
SNS:https://www.instagram.com/izumi_tombodama/
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。