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2026.05.10
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江戸時代、商業の拠点として栄えた日本橋。川や水路が身近に存在し、豊かな水資源に囲まれたこの地は、染め物などの手仕事が発展した職人の街でもあります。そのような歴史ある街で歩みを重ねる老舗染料メーカー「桂屋ファイングッズ」が営む、染色体験ワークスペース「somenova」を訪れました。

染色体験ワークスペース「somenova」店舗の様子
日本橋の近くには東京の染め物の発祥の地である神田紺屋町があり、江戸時代には染め物職人の街として大いに発展しました。当時、日本橋周辺は多数の水路があり、染色の水元としてだけでなく、魚河岸や商業の拠点として利用される大変にぎわいのある場所でした。1890(明治23)年、この地に染料メーカー「桂屋ファイングッズ」が誕生しました。

創業時に販売されていたガラス瓶の「みやこ染」などを展示している
「当時の日本は繊維産業が大変盛んで、工場に工業用の染料を提供する会社は多かったようですが、一般家庭向けに染料を提供したのは、私たちが扱っている『みやこ染』が最初と聞いています。戦前は着物や軍服の染め替えに、戦後は主婦層を中心とした手芸ブームのなかで趣味の染め物にと、家庭用染料も大いに需要がありました。」と代表取締役社長の青山伸一(あおやま しんいち)さんは語ります。
現在では着物を着用する人が減少し、一般家庭で染め物をする機会は少なくなりましたが、染料の良さや楽しさを改めて知ってもらいたいという想いから、2017年に染色体験ワークスペース「somenova(そめのば)」をオープンしたのです。

初心者でも気軽に挑戦できる「風呂敷の夢しぼり染め体験」
「somenova」ではさまざまな染め物を体験できるワークショップを開催しています。体験メニューのなかでも、特に初心者におすすめなのが「風呂敷の夢しぼり染め体験」です。
「夢しぼり染めとは、店舗で考案したオリジナルの染め技法です。風呂敷の布をプラスチックの筒の中に入れ、お好みの2色の染料をぬるま湯でとき、筒に流し込みます。筒の中に布を入れることでランダムにシワがつくられ、ムラなくきれいに染まるのが特徴です。」と、手順についてスタッフの斎藤 恵(さいとう めぐみ)さんが教えてくれました。

紫と黄色の染料で仕上げた風呂敷
風呂敷を筒に入れて染料を流し込んだ後、20分放置し、ぬるま湯と洗剤でしっかり洗うと、オリジナルの風呂敷が完成します。約1時間程度の体験ですが「自分の手で染めた」という喜びと達成感を実感できます。

落ち着いた雰囲気で人気を集めているくすみカラーの染料
店舗で販売されている「みやこ染」の染料は30℃以上のぬるま湯で染められるシリーズもあり、手軽に扱うことができるのが大きな特徴です。カラーバリエーションも豊富なので、どの色を使い、どのような方法で染めるかを考えるのも楽しいひとときです。
「化学繊維に対応した染料や、初心者の方でも簡単に楽しめる染め物の体験キットも販売しているので、目的に応じて選ぶことができます。環境と人体への負荷を低減した、国際安全認証のエコパスポートも取得しているので、安心してお使いいただけます。」

スタッフの斎藤 恵さん(左)、代表取締役社長の青山伸一さん(右)
近年、ハンドメイドの流行やSDGsへの関心の高まりを受け、若い世代のあいだで染め物が再び注目を集めています。染め方を工夫して独創的な舞台衣装を制作したり、木材やプラスチックといった素材を染めてアート作品として表現したりと、活用の幅も大きな広がりを見せています。
「今後は海外のお客様に向けても、日本の染め物の魅力、つまみ細工など日本文化と融合させた体験などを開催していきたいと考えています。体験を通じて手仕事のよさを体感していただき、私たちもその素晴らしさを日本橋から発信し続けます。」
創業から130年ものあいだ多くの人に愛され続けてきた染料は、時代の変化に寄り添いながら、現在も色褪せることなく「somenova」で新しい楽しみ方として届けられています。
染色体験ワークスペース somenova(そめのば)
電話:03-3662-5612
住所:東京都中央区日本橋小舟町14-7 SOIL Nihonbashi 5階
アクセス:東京メトロ人形町駅から徒歩8分
HP:https://www.katsuraya-fg.com/somenova/
SNS:https://www.instagram.com/miyacozome/
https://www.facebook.com/MIYACOZOME/
*営業時間や定休日、ワークショップの詳細は上記のリンクからご確認ください。