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2024.08.31

妥協なき素材を使用した老舗「冨士冷菓」アイスクリームと過ごす、大森浜でのひと時

NEIGHBORS

妥協なき素材を使用した老舗「冨士冷菓」アイスクリームと過ごす、大森浜でのひと時

函館市電「松風町」を降り、函館駅と反対側に進んだ先には、大森浜という長い砂浜が続きます。夏頃には高校生たちが部活のトレーニングをしたり、文化祭の出し物の練習をしたり、散策する家族連れも多く、函館市民にとっては身近な場所の一つです。

「冨士冷菓」の工場兼店舗は、集合住宅の1Fにある

「冨士冷菓」の工場兼店舗は、集合住宅の1Fにある

松風町駅から大森浜へ向かう途中にある「冨士冷菓」の工場兼店舗には、地元の方だけでなく外国からの旅行客といった、多くの方がアイスクリームを求めてやってきます。東京や函館でホテルマンとして勤務経験のある代表の中村彰宏(なかむら・あきひろ)さんご夫婦が二人三脚で切り盛りする、アットホームなお店です。

創業77年、冷菓一筋で函館市民に愛され続ける「冨士冷菓」

1947(昭和22年)年に創業した「冨士冷菓」は、当時北洋漁業で賑わった函館市内の映画館などへソフトクリーム・アイスキャンディーをはじめとした冷菓を製造・販売していました。しかし、北洋漁業の衰退や多くの映画館の閉館などを転機に、ホテル・飲食店向けの本格アイスクリームの製造に切り替え、現在も市民から愛されるお店として繁盛したと言います。

創業当時の店舗の様子を伝えるイラスト。店内にはこのイラストを復元したジオラマもある

創業当時の店舗の様子を伝えるイラスト。店内にはこのイラストを復元したジオラマもある

かつての店舗の外観写真。中村さん曰く、「外観は変わっていますが、場所はずっとここなんです」

かつての店舗の外観写真。中村さん曰く、「外観は変わっていますが、場所はずっとここなんです」

原料にこだわったホワイトベースのアイスクリーム

製造されたばかりのアイスクリーム。まるでホイップしたクリームのような白さが目を惹く

製造されたばかりのアイスクリーム。まるでホイップしたクリームのような白さが目を惹く

「北海道の新鮮な牛乳や生クリームをベースにした『冨士冷菓』のアイスクリームは、その当時からこだわり抜いて作られている商品です」と、中村さん。

アイスクリームの種類は大きく分けて二つあるそうで、一つは原料に卵黄を使用した“イエローベース”、もう一つは乳製品だけで仕上げた“ホワイトベース”というもの。「冨士冷菓」のアイスクリームはホワイトベースで、牛乳に加え、特注の濃度で製造された生クリームと練乳を贅沢に使い、オールハンドメイドで作られています。

「ホワイトベースのアイスクリームは、口の中で溶けると濃厚な牛乳の甘さと香りが広がり、スッと消える後味の良さが特徴」で、コク深さと上品さを併せ持つアイスクリームは市内の飲食店などでも多く活用。「茶房 菊泉」で使用しているクリームソーダにも、「冨士冷菓」の商品が選ばれています。

発想力で生み出された豊富なフレーバー

レジ横にあるアイスクリームとシャーベットのショーケース

レジ横にあるアイスクリームとシャーベットのショーケース

「常時店頭に40種類は出ている」と言う「冨士冷菓」のアイスクリームとシャーベットは、函館市近隣や北海道産の天然素材を使用したこだわりのフレーバーがたくさん。これに加え、季節限定品も登場するというから驚きです。

これらのフレーバーは、テレビで見た流行のスイーツ、店頭で見かけた旬の食材、口コミで耳にした市内のこだわりの素材…そういった暮らしの中で見つけた興味のある品をアイスクリームに昇華できないかと夫婦で考え、何度も試作を重ねていきます。

「私どもの商品はすべて少量生産、オールハンドメイド。だからこそイメージができればすぐに試作をして、色々なフレーバーに挑戦できるんです。」と、笑顔で語る中村さんの目には、少年のような好奇心と探究心を感じました。

えて少し「溶かす」ことで、よりミルキーさが際立つ味わいに

食べごろの目安は、「カップを押した時に溶けたアイスクリームがふんわりと縁にたまるくらい」。ソフトクリームより少し硬めの状態で頂くのがポイント

食べごろの目安は、「カップを押した時に溶けたアイスクリームがふんわりと縁にたまるくらい」。ソフトクリームより少し硬めの状態で頂くのがポイント

自慢のアイスクリームを美味しく頂くコツを中村さんに伺うと、「冷凍庫から取り出したばかりのアイスクリームは、固まっている状態で冷たすぎると、口の中で溶けた時に広がる軽やかさが半減してしまう」のだと教えてくれました。ふんわり泡立てたクリームをイメージし、普段より溶かし気味で頂いてみると、口の中に広がるミルキーさに感動します。溶けてしまったアイスも、あまりの美味しさに飲み干してしまいたくなるほどです。

「北海道の新鮮な牛乳と生クリーム、練乳、天然のフレーバー素材から生まれるアイスクリームですので、自然な美味しさを楽しんでいただけると思います。」「フレーバーの味わいにもこだわって、いつも改良を重ねていますので、今提供している商品がベストな味。自信を持ってお客様へ提供できる商品を揃えてご紹介しています。」

取材に対応いただいた代表の中村さん

取材に対応いただいた代表の中村さん

「近くの大森浜で召し上がっていく方もいらっしゃいますよ」という中村さんの言葉を聞き、早速アイスクリームを片手に海へ。潮風を浴び、たゆたう波を眺めながら頂くアイスは、函館の夏をさらなるきらめきの時間へいざなってくれます。目の前に広がる津軽海峡の海のように、変わらずそこにあり続けた「冨士冷菓」。その歴史と、妥協を許さない素材や製法を知れば、アイスクリームの味わいと函館の思い出がさらに一層深いものとなるでしょう。


冨士冷菓
電話:0138-22-3819
住所:函館市大森町18-15
アクセス:函館市電「松風町」徒歩5分
HP:https://www.fujireika.com/
SNS:https://www.instagram.com/fujireika_homemade_icecream
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください