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2024.08.15

心に刻まれる「温かい思い出」。真心こめた“できたておにぎり”をほおばって

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心に刻まれる「温かい思い出」。真心こめた“できたておにぎり”をほおばって

いつもの食事にも、お出かけの時にも、場所やシーンを問わずお腹も心も満たしてくれる日本人のソウルフード「おにぎり」。お米の発展とともに長い歴史のなかで日常食として親しまれ、今も変わらず子どもから大人までの多くの人にとって身近な存在です。

シンプルでありながら、ヘルシーフードとしても見直されている「おにぎり」。そんな手と手の間でむすばれた“安心感のあるおいしさ”を、札幌でも手軽に味わえるお店があることをご存知でしょうか。

お店の名は、「おにぎりのありんこ」。ホテルから徒歩6分ほどの場所に位置する、さっぽろ地下街の「オーロラタウン店」を訪れ、お店が愛される理由に迫りました。

小さなお店で多くの人の胃袋を満たす

1980(昭和55)年に1号店をオープンさせてから、札幌市内をはじめ道外にも数店舗を展開しているおにぎり専門店「おにぎりのありんこ」。そのはじまりは、代表の南部(なんぶ)さんと、閉店を考えていたおにぎり屋の主人との出会いがきっかけだったのだといいます。

のちにお店を譲り受け、新たなおにぎり屋として南部さん、奥さま、お義母さまの3人で「おにぎりのありんこ」がスタート。3坪の小さなお店の中をせかせかと“ありんこ”のように動き回る姿が、店名の由来になっています。

そんな「ありんこ」には、出勤前やお仕事の合間に立ち寄る方、小腹を満たしに足を運ぶ方など、朝から晩まで途切れることなくお客さまが訪れるそう。なかには悩ましそうにメニューを選ぶ姿や、慣れた様子で注文を終え、店内で黙々とほおばる姿も。

ファストフード感覚のお店だからこその手軽さで、40年以上にもわたり地元の方から旅で訪れる多くの方の胃袋を満たしてきました。

朗らかな笑顔で迎えてくれた「オーロラタウン店」店長の坂本さん

朗らかな笑顔で迎えてくれた「オーロラタウン店」店長の坂本さん

「学生の頃、“職業体験”で訪れた時に、働いているスタッフの人柄や接客のなかで常連のお客さまと楽しげに会話している姿が印象に残って」そう入社経緯について話すのは、「オーロラタウン店」の店長として運営を担う坂本 千夏(さかもと・ちなつ)さん。

「多くのお客さまにお越しいただくため、お店がうまく回るようにスタッフ同士でたくさんの言葉を交わすんです。とくに“感謝の言葉”がよく飛び交っていますね」と、小さなお店のなかでそれぞれが役割をもって連携するために心がけていることを語ってくれました。

“いつでも握りたて”の本格派おにぎり

細やかなコミュニケーションを大切にする「ありんこ」のおにぎりは、型を使わずに一つひとつを手で握る本格派。注文を受けてからすぐに握るため、“いつでもできたて”のおいしさを味わうことができます。

お米には、おにぎりに適した宮城県産の「ひとめぼれ」を使用。粘り・つや・うま味・香りのバランスがよく、さっぱりとした口当たりが、食感のよさや具材のおいしさをより一層引き立てます。

手の水分が乾かぬうちに、手早くごはんを握っていく

手の水分が乾かぬうちに、手早くごはんを握っていく

注文を受けてから、よどみのない滑らかな手つきでごはんをまとめていく所作の美しさは、思わず見入ってしまうほど。

「『ありんこ』では、1〜2ヶ月ほどおにぎりを握る研修があるんですね。計らなくてもお米の量がわかるように、そして、しっかりとした三角でありながらもふわっとさを出せるようになるまで何度も練習するんです」

握りはじめてから6回以内でまとめるのが“「ありんこ」流”。創業時から受け継がれているこだわりが、おいしさを支える秘訣の一つなのです。

不動の人気を誇る「ありんこ」ならではの味

「チーズかつお(左)」「すじこ(中央)」「とん汁(右)」。そのほか、基本の塩むすび「具なし」のおにぎりもあり、レギュラー・ジャンボからサイズを選ぶことができる。有料で具材を2種類ミックスすることも可能

「チーズかつお(左)」「すじこ(中央)」「とん汁(右)」。そのほか、基本の塩むすび「具なし」のおにぎりもあり、レギュラー・ジャンボからサイズを選ぶことができる。有料で具材を2種類ミックスすることも可能

紅しゃけ、うめ、ツナマヨなどの定番の具から、時折アスパラベーコンや牛タンなど目を惹く期間・店舗限定の具も登場する「ありんこ」。何を食べようか迷ったら、まずは不動の人気を誇る「チーズかつお」を。

実はこの「チーズかつお」、ある時ピザのチラシを見ていた時の“おにぎりに合うのではないか”というひらめきから開発されたのだとか。坂本さん曰く、「チーズだけだと味がぼんやりしてしまうところを、かつお節で引き締めているんです。熱々のごはんにチーズが溶けておいしいですよ」とのこと。

一見斬新さも感じられる組み合わせが、なんと一番の売れ筋。「アイディアの原石はどこに転がっているかわからない」そんなことを示してくれるようなエピソードでした。

お米と具材の風味が口いっぱいに広がるように握られたおにぎりは、やわらかいため崩れやすさもあるそう。店内の壁に掲示されている「食べ方のコツ」をつかめば、さらにおいしく食べられるはず

お米と具材の風味が口いっぱいに広がるように握られたおにぎりは、やわらかいため崩れやすさもあるそう。店内の壁に掲示されている「食べ方のコツ」をつかめば、さらにおいしく食べられるはず

もう一つ、“北海道らしさ”が感じられる具といえば、ぷちぷちとした食感が楽しめる「すじこ」。こちらは、一粒ひと粒を丁寧に手でほぐしてから具として使っているそう。おいしく食べていただくために、手間ひまを惜しむことはありません。

さらに、坂本さんが「すべてのメニューのなかで一番人気といってもよいかもしれません」と太鼓判を押すのは、北海道産野菜をふんだんに使用した具だくさんの「とん汁」。創業以来レシピを変えずに守りつづけてきた“「ありんこ」ならでは”の味です。

忙しい合間やひと息つきたい時に、素材や握り方にこだわったできたての温かいおにぎりや汁ものが食べられる。それだけで心がほっとしたり、和やかな気持ちになったり。お腹だけではなく、心まで満たされていくような感覚を味わえるのではないでしょうか。

心くばりとこだわりを通じて“笑顔”を届けたい

お店をあとにし地上に出れば、まちのシンボル「大通公園」が。天気のよい日にはテイクアウトをして、開放的な場で味わうのもおすすめ

お店をあとにし地上に出れば、まちのシンボル「大通公園」が。天気のよい日にはテイクアウトをして、開放的な場で味わうのもおすすめ

よくお店に足を運んでくださる方が注文するメニューをスタッフも覚えているそうで、「“いつものですね”や、“今日もいつものアレでよいですか?”などのやりとりも大事にしています」と、心くばりについて笑顔で語ってくれた坂本さん。

「わざわざ『ありんこ』のおにぎりを選んでくれて、来店していただけるということがうれしいので、おいしいものをより早く提供して、最後には“また来たいな”と思っていただけるように。当たり前のことを怠らずにやっていきたいですね」

「『ありんこ』の味、技、こだわりをご堪能いただき、お客さまに笑顔をお届けしたい」そんな想いも一緒にむすんだおにぎり。一口ほおばれば、きっと旅先での“温かな思い出”として心に深く刻まれることでしょう。


おにぎりのありんこ(オーロラタウン店) 
住所:北海道札幌市中央区大通西2丁目 さっぽろ地下街オーロラタウン 
アクセス:地下鉄南北線・東西線・東豊線 大通駅 直結 
HP: http://onigiri-arinko.com/ 
SNS: https://www.instagram.com/onigiri_arinko/ 
*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください。