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2024.08.15

革をキャンバスに動物を描く、「OZIO」の新しいアートのかたち

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革をキャンバスに動物を描く、「OZIO」の新しいアートのかたち

昭和初期に建てられたという真っ白いレトロな外壁に、深い紺色の看板が印象的な店舗には、どこかクラシックな雰囲気が。店名は「OZIO(オジオ)」、イタリア語で「ゆったり、気ままに」を意味します。

元町にある「OZIO函館本店」は函館市出身の鞄作家である永嶺康紀(ながみね・やすのり)さんのアトリエです。東京で活動していた永嶺さんが、東京藝術大学の卒業を機に「ものづくりはどこでもできる」と考え、出身地の地域活性化に貢献したい思いを胸に、東京から移転しました。

「持ち運ぶアート」をアイデアに誕生したOZIO

店内へ入ると、さまざまな動物たちが大胆にプリントされた製品が並ぶ中、アートギャラリーさながらの鮮やかなフラミンゴのパネルに目を奪われます。店長で鞄職人の本部光之(ほんべ・てるゆき)さんに詳しく伺うと、「このハイヒールを履くフラミンゴの絵画は、OZIOのきっかけになったもので、現在はブランドのアイコンとなっています。」と教えてくださいました。

永嶺さんが動物の絵画の個展を行なっている時に「さまざまな動物のイラストを『持ち歩くアートとしてバッグにできないか?』」と考えたことが、OZIOの始まりです。

応接室に飾られていた、永嶺さん直筆のスケッチ

応接室に飾られていた、永嶺さん直筆のスケッチ

OZIOで手がける動物のデザインは、スタッフの皆さんが相談して決まるのかと思いきや、全て永嶺さんによるそう。「動物をどのように表現するのか、その案はデザイナーの頭の中にしかありません。私たちも『次はどんな動物を革製品へデザインするのかな?』と楽しみにしているんですよ。」と、本部さんは話します。

動物のスケッチには、「まさか!」と感じるアイデアが盛り込まれていることもあるそう。そんな永嶺さんの遊び心が、魅力あふれる動物たちとしてOZIOの革製品のデザインに昇華されていきます。

2024年1月にリリースされた干支の「龍」は、ヒゲと体でOZIOの文字を描く。複数の構図のアイデアから、「しっくりきた」というあやとりが採用された

2024年1月にリリースされた干支の「龍」は、ヒゲと体でOZIOの文字を描く。複数の構図のアイデアから、「しっくりきた」というあやとりが採用された

革×プリントでデザインする新しい革製品のかたち

OZIOオリジナルのシルクスクリーンの版。上にインクを乗せ、版の上を滑らせることで、スクリーンの下にプリントが施される

OZIOオリジナルのシルクスクリーンの版。上にインクを乗せ、版の上を滑らせることで、スクリーンの下にプリントが施される

“革製品をデザインする”という言葉から、複数のレザーを組み合わせたり刺繍したりする、いわゆるレザークラフトを想像する方が多いかもしれません。OZIOの場合は、1枚の革をキャンバスのように扱いながら、さまざまな柄や動物のイラストをプリントすることを指します。

革へのプリントは「シルクスクリーン」という技法で行われており、これも永嶺さんのアイデア。簡単そうに思いますが「革という素材には一つとして同じものはありません。細かなシワの入り方、油分、乾燥具合などがそれぞれ異なるため、インクの入り方を丁寧に見極める必要があるのです」「例えば、一度にたくさんのインクを使うと乾燥させた時に革へダメージが発生し、使うことができなくなってしまうこともあるんです」と、本部さんが教えてくれました。

一つ一つのデザインパーツごとに、少しずつ、少しずつ…。時には繊細に、時には大胆に。何度も版を重ね、細心の注意を払いながらプリント作業が行われます。

デザイン性とサステナブルさを両立する、シンプルなかたち

OZIOでは製品のメンテナンスも実施。修理のためミシンへ向かう本部さんの真剣な眼差しからはものづくりへ向き合う実直な思いが感じられる

OZIOでは製品のメンテナンスも実施。修理のためミシンへ向かう本部さんの真剣な眼差しからはものづくりへ向き合う実直な思いが感じられる

もう1つ、OZIOの製品作りにはポイントがあります。それは、製品のかたちをシンプルにすること。異なる素材を組み合わせたり、細かなパーツを多用したりすることは見た目が美しくなる一方、ほつれや壊れ、型崩れなどのトラブルの原因にも繋がりやすくなるそう。かたちをシンプルにすることで、修理も簡単になり、より長く製品を楽しむことができます。

革はクリームやオイルによる手入れで半永久的に使うことができる素材であるからこそ、壊れにくく長く使える製品作りは、現代に求められるサステナブルさにマッチしているとも言えます。

シンプルな形状の製品にはレザーを大きく使うため、OZIOらしい動物のプリントが映えるという利点もある

シンプルな形状の製品にはレザーを大きく使うため、OZIOらしい動物のプリントが映えるという利点もある

端材を活用したレザークラフトで、より楽しい自分だけのアイテムに

手頃な価格が嬉しいキーホルダーは「特に函館らしさがあるイカが人気」。端材とのカラーリングも楽しめる

手頃な価格が嬉しいキーホルダーは「特に函館らしさがあるイカが人気」。端材とのカラーリングも楽しめる

アートとサステナブルさを両立した唯一無二の革製品を生み出しているOZIO。「OZIO hand BAY店」で実施している「観光されている方に人気」だというレザークラフト体験でも、アートでサステナブルな取り組みを垣間見ることができます。

体験メニューのうちの一つ「キーホルダー刻印体験」は、キーホルダーの値段に660円をプラスすることで刻印体験を手軽に楽しむことができるというもの。「本体よりも端材への刻印がおすすめ」なのだそう。カラフルなリボン状の革の端材は、製造過程で発生する端材を活用しています。これを様々な動物を模したキーホルダーと組み合わせることで、無限大のペアリングが楽しめるのです。

本部さん曰く、「革への刻印は一度の強い力で行おうとするのではなく、少しづつ何回かに分けてることが、綺麗に仕上げるコツ」なのだとか。刻印した革をスタッフの方に手渡すと、端材がキーホルダーのデザインの一部に早変わり。旅のお土産としても、自分への記念としても、幅広い年代から人気です。

専用の治具を使いながら、焦らずゆっくり刻印することが大切

専用の治具を使いながら、焦らずゆっくり刻印することが大切

「OZIO函館本店」のそばには、石畳が美しい二十間坂や教会群、赤レンガ倉庫群があります。シルクスクリーンで生み出される鮮やかな動物たちが描かれたバッグを片手に街を歩き、気ままな函館旅行を楽しんでみては。その時の写真に映るあなたはきっと、OZIOな気分を体現するアート作品になっていることでしょう。


OZIO 函館本店
電話:0138-23-1773
住所:函館市元町29-14
アクセス:函館市電「十字街」徒歩3分
HP:https://oziodesign.com/
SNS:https://www.instagram.com/oziodesign/

OZIO hand BAY店
電話:090-2816-5511
住所:函館市豊川町11-5 BAYはこだて内
アクセス:函館市電「十字街」徒歩5分

OZIO Y.N店
電話:0138-86-5171
住所:函館市本町24-1シエスタハコダテ1F
アクセス:函館市電「五稜郭公園前」より20秒

*営業時間や定休日についての詳細は、上記のリンク先にてご確認ください