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2024.04.30

今も昔も変わらない。柔らかく強い、透き通る美しさを纏う本美濃紙。

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今も昔も変わらない。柔らかく強い、透き通る美しさを纏う本美濃紙。

岐阜県美濃市で1300年以上の歴史をもつ「美濃和紙」。奈良・東大寺の正倉院には、美濃で漉かれた戸籍用紙が日本最古の紙として保管されています。美濃和紙の中でも希少性の高い「本美濃紙」は、その手漉き和紙技術を高く評価され、2014年にユネスコ無形文化財にも登録されました。

白く美しい、そして柔らかく強い「本美濃紙」。そんな本美濃紙を漉く、美濃和紙職人・家田美奈子さんの工房を訪ねました。

 

 

和紙とは。美濃和紙とは。本美濃紙とは。

和紙とは、大陸から伝わった中国の製紙法が日本の風土に適した原材料と製法に変化し、日本独自のものとなった紙のことをいいます。粉末状にした木材パルプを材料にする洋紙。当時は薬品も多く使用し、100年も経つとボロボロになっていました。しかし、和紙は天然繊維を細かくすり潰さず “漉く“ことで絡ませます。繊維が持つ本来の強靭さを失わないため、高い耐久性を持っています。1000年以上前の紙が残っていることが、その証拠といえます。

美濃和紙とは、手漉き和紙から機械生産和紙まで、美濃市で作られた和紙全般を指します。手漉きの美濃和紙は強靭で耐久性があり、薄くてムラがないという特徴があります。この特徴は紙を漉く際に、通常の「縦揺り」に、ゆったりとした「横揺り」を組み合わせるという美濃和紙特有の技法によって生み出されます。そして、重要無形文化財指定の材料と道具、そして認められた職人が美濃市で漉く和紙、これを本美濃紙と呼びます。

本美濃紙を漉く家田さんは、その技を認められた希少な職人です。工房には、長良川の支流を流れる良質で豊かな水が流れ込み、材料となる大子那須楮(だいごなすこうぞ)が晒されています。道具として使用する木曽ヒノキの漉き桁、岐阜の造船職人が作った舟、繊細な漉き簀(すきず)など、岐阜の伝統技術で作られた道具がずらりと並そこには並べられています。家田さんは時間をかけて原材料の選別から紙漉きをこの場所で行います。

<工房に並ぶ漉き簀(すきず)>

「原料となる楮の白皮を清流に数日浸し、自然漂白させるとともに不純物を取り除きます。そして繊維をほぐすために、大きな鍋で煮出し、しんなりした楮を流水の中で広げ、繊維内に付着したチリや色が悪い部分を丁寧に一つ一つ取り除いていきます。この作業だけでも1週間はかかります。そこから繊維を叩きほぐします。その後、水中の繊維濃度を均一にする粘性のある“ねべし(とろろあおい)”を合わせて抄造します。ねべしは混ぜ合わせると保存が効かないので、ほぼ1日で漉きあげます。漉きあげた翌日に、水分を絞り、1枚ずつ剥がして天日干しで乾燥させます。これは好きじゃないと続けられません。」家田さんは、本美濃紙ができるまでの途方もない工程を明るく話しました。

一つ一つの素材と工程が、上質で繊細かつ丁寧であるからこそ、白く、ムラなく、柔らかい肌触りを実現しています。1300年 “ずっと変わらない” 製法と気持ちで向き合うこと。そこに “変わらない” 本美濃紙の真髄がありました。

 

 

満足のいく和紙への道のり。厳しく、長い修行の先に見えてくるもの。

家田さんの美濃和紙との出会いは美大で日本画を学んでいた時。通常、日本画は和紙に描かれます。雲肌麻紙という表面にやや凹凸のある和紙を使用することが一般的な中、修復の授業で美濃和紙と出会いました。「初めての美濃和紙の印象は、綺麗な紙。透かした時に繊維がキラキラと綺麗に見え、虜になりました。こんなに綺麗な紙に絵を描いて、汚しているみたい。」そう思ったそうです。

大学卒業後、美濃和紙会館が運営するスクールに通い、原料から紙漉きを学んだ家田さん。修行時代     の工房では朝から晩まで7タテ(1タテ25枚 ×7)漉いたとのこと。和紙は100枚同じように漉くことが難しく、灰汁の抜け方や、季節、手の揺り動かし方でも変わり、そもそも材料が一定ではない自然素材。繊維も絡み方も偶然的で、同じ和紙は2度と漉けないといいます。

家田さんは、それでも日々、和紙を漉き続けています。「漉いても、漉いても、満足のいく和紙には辿り着けない。この先も、良い紙をコツコツ漉いていきたい。日々、修練です。」と揺るぎない瞳で話されました。

 

 

美濃和紙の技術は職人と美濃和紙に関わる全ての人々で守っていく。

美濃和紙は障子紙や商品など、素材から形になることで改たな魅力を放ちます。その魅力ある美濃和紙を後世に残していくことも重要です。技術を繋いでいくために後継者育成と美濃和紙の使用される場の確保が重要になります。職人だけでなく、知ってもらうこと、商品にすることも、新たな担い手の発掘につながるかもしれません。「様々な課題を美濃和紙に関わる全ての人、みんなで手を取り合うことが必要です。紙を漉くことで幸せを感じてきました20数年。これからは後継者の育成や紙を加工する会社とも協力し、将来に繋ぐことにも注力したい。」、美濃和紙・本美濃紙を後世に残したいという家田さんの想いに触れ、工房を後にしました。

家田さんの漉く和紙は、和紙印刷・加工を専門で行う家田紙工“カミノシゴト”や “長良川デパート”で出会うことができます。繊細な和紙の世界に浸かりたい方には是非訪れてほしい。

美濃和紙職人 家田美奈子

■紹介HP:https://www.iedashikou.com/tesukiwashi/iedaminako.html

■EC SHOP:https://kaminoshigoto.net/https://nagaragawa.thebase.in/